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【答え】 急性胆嚢炎 -安静保ち まず点滴・抗生剤-

徳島県立中央病院 消化器内科部長 柴田啓志

20120325急性胆嚢炎

 胆嚢炎は、胆にできる結石や細菌感染などが原因で、胆嚢が腫れて痛む病気のことです。ここでは主に、質問にある急性胆嚢炎について説明します。

 急性胆嚢炎の多くは、胆嚢管(胆嚢と総胆管をつなぐ管)をふさいでいる胆石が原因です。急性胆嚢炎を起こす患者の少なくとも95%に胆石があります。このほか、すい臓の酵素の逆流が原因のこともあります。まず炎症から始まり、後になって感染が起こります。

 まれに、胆石のない患者に急性胆嚢炎(無石性胆嚢炎)が生じることもあります。特に、長期間の静脈栄養補給を受けている重い病気の後に発症する傾向があります。

 急性胆嚢炎の症状は、通常はみぞおちや右上腹部に持続する激痛(胆石疝痛(せんつう))から始まります。痛みは深呼吸すると悪化(Murphy徴候)して右肩甲骨下部に広がり、吐き気や嘔吐(おうと)が起こります。さらに、3分の1の患者に発熱がみられ、時に38度以上に達することがあります。強度の腹痛や悪寒を伴う発熱、黄疸の出現などは重症のことも多く、早くからの入院治療が望ましいと考えられます。

 急性胆嚢炎の診断は、科学的根拠に基づいた急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインに基づいて行われます。

 <1>右季肋部(きろくぶ)痛(右の肋骨の下の痛み)、圧痛、筋性防御(筋肉が硬くなる)、Murphy徴候(吸気時の腹痛)<2>発熱、白血球の上昇またはCRP(炎症蛋白(たんぱく))の上昇<3>急性胆嚢炎の特徴的な画像所見(腹部超音波検査やCT検査での異常)-のうち、<1>のいずれかと<2>のいずれかを認めると急性胆嚢炎が疑われ(疑診)、加えて<3>を確認した場合には確診となります。

 急性胆嚢炎の治療は、絶飲絶食の上で安静を保ち、点滴と抗生剤で行います。手術は48時間以内に行った方が、それ以降の待機手術(炎症が治まるのを待って行う手術)より良好であると報告されていますが、状況によって先に内科的な治療をすることもあります。

 黄疸や全身状態の不良な患者では、一時的に胆嚢内の膿(のう)などを抜く「胆嚢ドレナージ」を行う場合もあります。急性期に胆嚢摘出術を行わなかった場合でも、胆嚢結石を合併している場合は、再発予防のため、炎症が治まった後に胆嚢摘出術を行った方がいいと考えられます。腫瘍、壊疽(えそ)、胆嚢穿孔(せんこう)のような合併症が疑われる場合は、緊急手術が必要になります。

 胆嚢に結石のある方は、胆嚢炎の予備軍と考えられますが、発作を起こしていない結石は必ずしも手術治療の適応にはなりません。また、まれにがんが原因で胆嚢炎を起こすこともあり、十分に検査する必要のある方もいます。

 今回相談の方は、発熱や黄疸があったとのことですが、黄疸が出ている場合は胆嚢のみならず、肝臓や総胆管の検査も必要になります。治療法は、主治医とよく相談して決めることをお勧めします。

徳島新聞2012年3月25日号より転載
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