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【答え】 後天性色素性母斑 -気になれば組織検査も-

福原皮膚科 院長 福原 耕作(小松島市南小松島町)

 ほくろのような黒色調になる皮膚病変は、良性、悪性、遺伝性疾患などに分けられます。良性病変は単純黒子(こくし)、色素性母斑、老人性色素斑、雀卵(じゃくらん)斑(そばかす)など、悪性病変は基底細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)など、遺伝性疾患には、色素性乾皮症のような露出部の日焼け症状や、黒色斑の多発が特徴的なものがあります。

 ここでは小児期より現れ、俗にほくろと呼ばれることの多い単純黒子や色素性母斑を中心に説明します。

 一般にほくろとは、母斑細胞というメラニン色素を作る力を持った細胞が増加して生じる色素性母斑の小型のもの(直径約1センチ以下)を指します。色素性母斑には、生まれつき病変が存在する先天性と、生後に生じてくる後天性がありますが、ほくろの多くは後天性色素性母斑に属します。なお、単純黒子は幼児期より発症する直径数ミリまでの褐色から黒褐色の斑で、この色素性母斑の前段階のものと考えられています。

 生後数年で現れ、思春期以後に増加し、初めは黒色の隆起しない色素斑として生じ、年齢とともに徐々に隆起し、色調は中年以後次第に淡くなる傾向を示します。日本人では31~35歳で一人平均約10個存在するとの報告もあり、ほくろのない人はいないといえるほどありふれた病変です。病因は不明で、一部は遺伝、日光の紫外線刺激、女性ホルモンなどの関与が指摘されています。

 後天性色素性母斑は主に4つのタイプに分類されます。簡単に特徴を述べると<1>ウンナ型は胴によくできる表面がでこぼこした桑の実状の結節<2>ミーシャー型は顔面、頭部によくできる表面が平滑な半球状結節で、ときに有毛性<3>クラーク型は胴、手のひら、足底によくできる平たんで辺縁の不整な、淡褐色から黒色の色素斑<4>スピッツ型は顔面、胴、四肢によくできる表面がカサカサした紅色半球状結節を示します。

 これらの後天性の色素性母斑が悪性化することは極めてまれで、放置してもほとんど心配ありません。

 問題となるのは俗にいう“ほくろのがん”=メラノーマとの鑑別です。メラノーマはメラニン色素を作る色素細胞ががん化したもので、その外観の特徴としては<1>非対称性<2>不規則な境界<3>多彩な色調<4>直径6ミリ超-などで大きさ、形状、色調に変化があるものは注意が必要です。また色素性母斑(特にクラーク型)が数十個以上多発し家系内にメラノーマ患者が存在する場合は、メラノーマ発生の危険性が高いことが確認されています。

 質問の方は、子供のころからほくろが多く、最近も顔のほくろが増加しているとのこと。おそらくは後天性色素性母斑の一種で放置しても問題なさそうですが、文面からは家族歴やほくろの性状、数もはっきりしませんので、心配なら皮膚科で診察を受け、必要に応じて組織検査で確認をしてもらってはいかがでしょうか。

徳島新聞2003年6月22日号より転載

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