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【質問】 レーシック手術、危険性は

 大学生の長男のことで相談します。近視と、少し斜視があるので、高校生のころから眼鏡を使っています。最近、レーザーで近視を治療するレーシック手術を受ける人が多いと聞きましたが、斜視でも受けることはできるのでしょうか。危険性がないのかどうかも心配です。年間どれくらいの人が手術を受け、事故報告はどれくらいあるのでしょうか。



【答え】 近視 -安全だが一時的に合併症も-

三木眼科 院長 三木 聡(徳島市一番町)

 レーシックとは、特殊なレーザーを使って近視や遠視、乱視を治療する手術のことです。1990年ごろから行われるようになり、最近では米国で年間100万人以上、日本でも年間10万人以上の方がレーシックを受けています。この普及には技術の進歩が大きく関与しており、安全に安心して受けることができる手術になりました。

 レーシックの手術方法ですが、まず、角膜(黒目)の表面に直径約9ミリ、厚さ約0.1ミリのフラップ(ふた)を作成します。フラップをめくった後、その下にレーザーを照射して角膜の形状を変化させ、近視などを矯正します。コンピューターで正確に測定と解析を行うので、ほとんど誤差なく矯正することができます。

 ただ、希望する全員が手術できるわけではなく、適応基準があります。▽18歳以上(未成年者は親の同意が必要)▽角膜やその他の目の病気がない▽角膜の厚みが十分ある▽近視、遠視、乱視の度数が強過ぎない▽過去1年間、近視、遠視、乱視の度数が進行していない-ことなどです。ご質問によると斜視であるようですが、これは問題なくレーシックを受けることができます。

 ほとんどの方が翌日からよく見えるようになりますが、合併症が全くないわけではありません。軽い合併症として▽白くかすむ▽異物感がある▽まぶしい▽乾く-などがあり、一時的に起こることがあります。

 その他、まれな合併症として▽角膜混濁▽フラップ異常▽不正乱視▽感染症-などがあります。確率は大変低いですが、絶対に起こらないとは言えないので、十分に説明を聞き、納得、同意してから手術を受けるようにしてください。

 レーシックは自由診療なので、治療費が施設によって違います。高額な機械を使うために治療費はある程度高くなりますが、考えられないような安い値段で行っている施設もあります。

 重要なことは値段ではなく▽十分に訓練を受けた眼科専門医が行っている▽手術だけではなく、手術後の経過をよく診てくれる▽他の目の病気になった時もしっかり診てくれる-ことなどです。

 近視、遠視、乱視を矯正する方法は、従来であれば眼鏡またはコンタクトレンズでしたが、最近ではレーシックが第三の矯正方法になってきたようです。特殊な手術なので限られた施設でしか行われていませんが、説明会なども行われていると思います。レーシックのことをもっと知りたいのであれば、そういった会を利用するといいと思います。

徳島新聞2011年8月21日号より転載

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