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【質問】 手術に危険はないのか

 55歳の男性です。3カ月前に「慢性副鼻腔(びくう)炎」と診断され、通院・投薬治療を続けています。レントゲン検査の結果が思わしくなく、「早めに治したいなら」と、手術を勧められました。このまま治療を続けても、治らない可能性が高いのでしょうか。手術はどのようなものでしょう。危険はありませんか。



【答え】 慢性副鼻腔炎 -内視鏡使用で負担軽減-

和田耳鼻咽喉科 和田好純(吉野川市鴨島町)

 副鼻腔とは、左右の鼻腔に開口する空洞のことです。薄い粘膜で覆われており、それ以外は空気で満たされています。この空洞に炎症が起こるのが副鼻腔炎です。粘膜の肥厚、膿汁(のうじゅう)の貯留などが起こり、さまざまな症状の原因となります。一口に「慢性副鼻腔炎」といっても、細菌感染、アレルギー、かび、鼻腔の形態などが関与していて、治療を複雑にしています。

 ご質問の方は、慢性的な鼻閉や鼻汁がのどに流れるといった症状により、耳鼻咽喉(いんこう)科を受診されたことと思います。3カ月間通院治療を続けてもレントゲン結果が思わしくないとのことですが、自覚症状はいかがでしょうか。慢性副鼻腔炎を放置すると、頭痛や嗅覚(きゅうかく)障害、慢性的な咳(せき)や痰(たん)の原因になることもあり、引き続き治療を続けていくことが望ましいと思われます。

 治療は大きく分けて、薬物治療を中心とする保存的治療と、手術治療があります。

 保存的治療は、主に鼻粘膜の腫れをとり、鼻汁を吸引するなどの鼻処置、抗生物質や消炎剤の薬液を霧状にし、鼻から吸入するネブライザーなどです。内服では、マクロライド系抗生物質の少量長期療法が有効なことが分かり、内服治療の主流となっています。これに加え、消炎酵素剤、アレルギー剤などを併用することもあります。

 保存的治療を数カ月行っても改善傾向のない場合は、手術治療が必要となることもあります。

 従来は、歯肉部を切開し、頬部(きょうぶ)にある副鼻腔の前壁の骨を削り、病的粘膜を除去するといった副鼻腔根本術が中心に行われていました。最近では、内視鏡下副鼻腔術(ESS)が中心に行われています。ESSとは、内視鏡を鼻腔内に挿入し、病変部を観察しながら鼻・副鼻腔の病的粘膜を除去し、副鼻腔の換気、排膿(はいのう)を正常な状態に改善しようとする手術です。

 内視鏡画像がモニターに大きく映し出されるため、術者だけではなく、数人で病変部位、危険部位などを確認することも可能で、正確かつ危険の少ない手術といえるでしょう。従来の根本術と比較しても、術後の痛みや腫れ、出血が少なく、入院期間が短いといった利点があります。

 ただし、眼の障害や髄液漏れといった副損傷の可能性があるのも事実です。また、どんな手術でも同じですが、術後は定期的な経過観察や治療が非常に大切になってきます。

 以上、簡単に慢性副鼻腔炎や最近の手術治療を中心にお答えしました。かかりつけ医とよく相談した上で、ご自身にあった治療法を選択し、根気よく治療を続けていくのが望ましいと思われます。

徳島新聞2009年10月11日号より転載

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