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県民の皆さまへ

【質問】 2ヵ月前から両手で発症

 54歳の女性です。2カ月ぐらい前から、手(特に左手)の指先がしびれます。物を強く握ったりすると「ジーン」とします。朝起きると、こわばって手が握りにくい状態です。時間がたてば、こわばりはなくなります。何か悪い病気なのでしょうか。病院は何科を受診すればよいのでしょうか。



【答え】 指先のしびれ -同時なら頸椎に原因か-

きたじま田岡病院 整形外科 藤村 拓也(板野郡北島町鯛浜)

 「しびれを起こす病気」については、部位(どの指のどの範囲がしびれるか)、性状(常にしびれているのか、そうでないならどのようなときにしびれるのかなど)、しびれ以外に伴っている症状はないか、などが診断の参考になります。

 今回のご相談は「程度の差はあるが、両手の指がほぼ同時期からしびれるようになった」ということかと思われますので、頸椎(けいつい)が原因で起こっている可能性が高いと考えます。

 考えられる病気としては、頸椎の骨が次第に変形して起こる変形性頸椎症、本来は頸椎と頸椎の間に収まってクッションの役割をすべき椎間板が損傷されて脊柱(せきちゅう)管(脊髄の通り道)にはみ出て起こる椎間板ヘルニア、頸椎同士をつないでいるじん帯が変質して膨らんで起こる後縦じん帯骨化症などがあります。

 こういった病気が脊髄自体を圧迫して起こる症状を脊髄症といい、両手(両脚)にしびれや筋力低下などの症状を起こします。症状は多くが持続性です。

 また、脊髄から枝分かれしたばかりの神経(神経根)を圧迫した場合には神経根症といい、圧迫されている側の肩、腕、手に瞬間的に痛みやしびれが生じる場合にはこの病気が疑われます。

 頸椎よりも末しょう(指先に近い側)の部位で神経が圧迫され、しびれが起こることもあります。胸郭出口症候群、肘部(ちゅうぶ)管症候群、手根管症候群などがあります。

 鎖骨、第1ろっ骨などの骨と斜角筋という筋肉の間に神経(腕神経叢(そう))が挟まれて起こる病気が胸郭出口症候群で、神経と一緒に血管も挟まれて手や腕の血行障害も起こり、しびれのほか、腕全体がだるい、首を左右に向けると症状がひどくなる、手を上げるとすぐに腕がだるくなって上げていられない、などの症状を生じます。

 肘部管症候群は、肘関節の骨が変形(変形性肘関節症)して、尺骨神経という神経を圧迫した結果、薬指や小指にしびれを生じます。手根管症候群は、手首で正中神経という神経が圧迫され、親指側の指にしびれを生じます。

 これら絞扼(こうやく)性障害は右か左のどちらかに起こりますが、「よく両手を使う」「両腕を使って力仕事をする」という人などでは両側で同様に病気が起こることもあります。

 「こわばり」は長時間関節を動かさなかった際、次に動かすときに動かしにくい状態のことですが、しびれと無関係にこわばりのみ生じているのであれば、関節自体に原因(指の変形性関節症、関節リウマチなど)があることも考えられます。

 悪い病気かどうか、心配されるお気持ちはもっともだと思います。しかし、症状のみでの判断は困難で、また、悪性疾患でないとしても「次第にしびれが強くなる」あるいは「範囲が広がっている」「筋力が落ちてきた」「筋肉がやせてきた」など症状が進行していく場合には注意が必要でしょう。

 ほかにも、圧迫とは無関係な神経内科的な病気や脳外科的な病気、糖尿病など内科的な病気に関連している可能性ももちろんありますが、まずは整形外科を受診して相談してみてはどうでしょうか。

徳島新聞2006年9月3日号より転載

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