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【質問】 人の視線が異常に気になる

 30代の女性です。「アダルトチルドレン」という心の問題について詳しく教えてください。若いときから、異常に人の視線が気になって仕方なく、4年前に心療内科を初めて受診しました。うつ病でないかと思っていたのですが、食事も睡眠もきちんと取れているため違うとのことでした。ところが、この前、テレビである女優さんが「自分はアダルトチルドレンだ」と言っていたのが気になり、それに関する本を読んでみました。思い当たるところが多く不安が募るばかりです。心療内科の先生は、アダルトチルドレンについて知識があるのでしょうか。どこの病院でもちゃんと自分の話を聞いてもらえるのでしょうか?



【答え】 アダルトチルドレン -相性の良い専門医に相談を-

はしもと和クリニック 橋本 弘子(徳島市八万町内浜)

 アダルトチルドレンとは、精神医学的な概念ではなく、アルコール依存者の問題をサポートしていた人たちが作り出した概念です。もともとは、アルコール依存者のいる家庭で育ったことにより、成人してから心身や人間関係にさまざまな問題を抱えるようになった大人のことをいいました。現在ではもっと広い意味に解釈され、小児期に受けたさまざまな非日常的な体験により、独特な精神形成がなされた大人のことを指すようになりました。

 アダルトチルドレンと呼ばれる人たちの、成人してからの障害は、さまざまな形で出てきます。以下、障害ごとに説明します。

【分裂病様状態あるいは解離性病態】

 統合失調症と子ども時代の被虐待体験との関連性はほとんどありませんが、統合失調症様の病状はよくみられます。また解離性病態と子ども時代の反復的な外傷体験とは深く関連性が認められています。

【抑うつ障害】

 抑うつ感を持つことは多くみられます。それは内因性のうつ病とは違った説明困難な不安感を伴い、患者は常に虚無感や厭世(えんせい)感、否定的な姿勢、死にたいと思う気持ちを抱くことが多いという特徴があります。

【不安障害】

 全般性不安障害とパニック発作を有する患者も多くみられます。後者は子ども時代に継続して不安な体験に遭った人に多く、前者は16歳以前に親との離・死別を体験した人に多い傾向があります。

【境界パーソナリティ障害】

 この障害のある人は、疫学的に子ども時代の外傷既往が60~70%と高率であるとの報告も複数みられます。

【摂食障害】

 背景に家庭内不和などの家族病理を疑われる人ほど、摂食障害になる傾向が高いと指摘されています。

【身体化障害】

 多くの身体症状がある人および、身体化障害患者の半数以上に、子ども時代の性的虐待が認められたという報告があります。

 以上のように多種多様の病態を示すことがおぼろげながら知られるようになってきています。治療については専門医に相談し、医師の判断で治療を受けていただくのがベストと思います。治療薬にはSSRI、抗不安剤などを中心として治療成績の良いものがたくさんあります。臨床心理士によるカウンセリングを受けるのも良いでしょう。とにかく、あなたと相性の良い医師を探してみることをお勧めします。

徳島新聞2005年8月28日号より転載

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