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【質問】 赤いみみず腫れと染み

 24歳の娘のことで相談します。高校のときから、原因不明の赤いみみず腫れのじんましんに悩まされていました。昨年の夏ごろから、おなかに染みができ始め、今年の夏には染みが増え、両脇の下に茶色い染みができているのでびっくりしました。皮膚科では「細胞が破れて色素が沈着してしまっている」と言われたそうです。今は飲み薬(アレジオン二十グラム)とかゆみ止め軟膏(なんこう)(シスロンクリーム)をもらっています。染みのことが、とても気になっています。薬を常用しても大丈夫でしょうか。



【答え】 じんましん -定期的に薬の副作用チェックを-

徳島県立中央病院 皮膚科 敷地 孝法

 じんましんとは、一般的に放っておいても数十分から数時間で消えてしまうような赤いみみず腫れのような発疹(ほっしん)をいいます。発疹の大きさは点状の小さいものから地図状の大きなものまでさまざまです。多くはかゆみを伴い、かいたあとが腫れてくることもあります。

 食物アレルギーによるじんましんが有名ですが、実際はまれで、ほとんどの場合、原因は不明です。中には冷水に触ったり冷たい風に当たると出る寒冷じんましん、風呂などで温まると出る温熱じんましんなど、温度に関係している場合もあり、質問の場合は、これにあてはまるかもしれません。ただ実際には、体調やストレスが関与していることも多く、じんましんの原因究明には、てこずっているのが現状です。

 救急処置を要するような重篤なじんましんは別として、一般的なじんましんは、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤、場合によっては抗生物質やステロイド剤などの飲み薬を使って上手に抑えていくというのが、現実的な治療だと思います。塗り薬は、じんましんにはあまり効きません。

 多くのじんましんは、1~2週間で治まりますが、中には何カ月、ときには何年も続くことがあります。

 そのような場合には、副作用に注意しながら、薬を継続して飲むことが必要になってきます。副作用としては眠気が最も多く、症状が強い場合には、減量あるいはほかの薬に変更することが必要です。過去の報告例によると、じんましんの治療薬で重篤な副作用が発生したという事例はまれなようです。

 多くの慢性疾患がそうであるように、慢性化したじんましんで薬を常用せざるを得ないのは、ある意味で仕方がないことだと思います。あとは主治医とよく相談し、定期的な血液検査などで、副作用をチェックしてください。

 さて、じんましんは、最初に説明したように、跡形もなく消えてしまう一過性の発疹であり、普通は色素沈着(染み)を残すことはありません。

 染みの原因として考えられるのは<1>炎症<2>特殊なじんましん<3>じんましん以外の疾患-が挙げられます。それぞれについて説明します。

 【炎症】日焼けを例にとると、皮膚が真っ赤に焼けると後で真っ黒に色が付いてきます。いわゆる炎症後色素沈着という状態です。じんましんでも、かきすぎて、かさぶたができるほど強い炎症が生じると、治った跡が染みになってしまう可能性はあると思います。この場合、塗り薬を併用する必要があると思いますが、残念ながら日焼けと同様に、治るには多少時間がかかります。

 【特殊なじんましん】じんましんの中でも、血管の炎症を伴うような特殊な病態(じんましん様血管炎)では、治った後で色素沈着を生じてきます。この場合は、皮膚の組織検査や血液検査が必要となることがあります。

 【じんましん以外の疾患】両脇の色素沈着は、肥満の人に見られることがあります。またカビの一種でも、染みが胸や背中に多発してくることがあります。

 以上のように、じんましん以外の疾患も考慮する必要があるかもしれません。

徳島新聞2003年10月19日号より転載

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