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【質問】 足の血管が浮き出て気になる

 50歳の女性です。両下肢のあちこちに、毛細血管が赤い糸状に浮き出ています。特に大腿(たい)部に多く、すごく気になります。スカートで外出するときは、濃い色のストッキングで目立たないようにしています。冬場の寒い時期は、下肢が紫色の網目模様になったり、ちょっとの打撲で内出血を起こし、すぐ黒くなります。妊娠中には、右膝部の裏側に静脈瘤(りゅう)ができ、今でも浮き出ています。痛みとか、だるさはありませんが、ますます増えるのではないかと心配です。



【答え】 リベド -長時間歩行避け包帯を-

藤本クリニック 藤本 篤夫(板野郡北島町鯛浜)

 冬の寒い時期になると両下肢にできた赤紫色の網目模様を心配して診察に来る方が毎年、数人います。この赤紫色、網目状の発疹(ほっしん)は「リベド」と呼ばれています。

 皮膚の末梢(まっしょう)循環は、皮膚の深部から小動脈が皮表に向けて垂直に伸び、枝分かれをしながら毛細血管となって、隣接した他の小動脈から派生した毛細血管とくっ付き、小動脈となります。この毛細血管とくっ付いた部分は皮膚全体として見ると、一つひとつの網目がきれいに閉じた真新しい網のような模様をしています。その上、血流が最も遅くて弱いため、寒冷や種々の疾患の影響で末梢循環不全を生じ、同部の毛細血管の拡張や赤紫色の変化が起こります。

 リベド疾患は、3つのタイプに分類されます。先述の網状構造がきちんと保たれているか、それとも赤紫色部が途中で切れて枝分かれした状態であるかで見極めます。

 【大理石様皮膚】 気温の低い時期に小児に多いですが、成人女性にも見られます。寒冷によって血の流れが悪くなり、酸素含有量の少ない血液がうっ滞することで、網状構造が保たれたリベドになります。

 【樹枝状皮斑(ひはん)】 網状構造が完全に閉鎖しておらず、所々で途切れて樹枝状の構造をしています。毛細血管や小静脈などの拡張、うっ滞だけでなく、いろいろな基礎疾患によって小動脈に炎症が生じた状態です。症状が進行すれば血管の器質的変化にも至り、上部皮膚の炎症や潰瘍(かいよう)になることもあります。

 【網状皮斑】 大理石様皮膚と樹枝状皮斑の中間と考えられるタイプ。網状構造は完全に閉鎖されていますが、大理石様皮膚よりはリベドが持続的です。とは言っても、夏になって気温が上昇すると網目状が消失することもあります。

 いずれのタイプにしても、リベド症状を生じる人は元来、血管系が不安定と考えられ、ちょっとした打撲や擦過で内出血を起こすかもしれません。

 ところで、妊娠を契機に下肢に静脈瘤ができ、他の症状はあまりないものの、美容的に嫌だと思う女性も多いと思います。先天的に静脈壁が弱いと静脈瘤もできやすのですが、多くは長期の起立、妊娠、深部静脈の狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)などで、表在静脈内圧が上昇して静脈が拡張、蛇行し、静脈瘤を生じます。

 この状態が進行すると静脈瘤症候群と呼ばれるような下腿の浮腫(むくみ)、色素沈着、皮膚炎、皮膚潰瘍などが見られ、専門医の診察が必要となりますが、質問の女性の症状であれば、次のような生活上の注意をすればいいでしょう。

 まず、長時間の歩行、立位での仕事を避けてください。ただ、血流を助ける適度な歩行は必要です。できれば日常において弾性包帯、弾性ストッキングを着用し、休憩時、就寝時には座布団などで下肢を上げて休んでください。これらを実行することが大切だと思います。

徳島新聞2002年7月14日号より転載

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