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【質問】 常におしっこのことが気になる

 小学1年生の娘が、2学期ごろからトイレのことばかり気にしています。朝、学校へ出掛けるまでに3回ぐらい行くこともあります。出掛ける10分前に行ったのに、また寸前に行かないと気がすみません。どこかに遊びに行く話をすると「トイレはあるの」と聞きます。買い物でも、家を出る前、スーパーに着いたとき、帰るときに行きます。学校でも休み時間ごとに行くようです。常におしっこのことばかり気にしているようです。でも、おもらしなどはしたことはありません。病院に行った方がいいのでしょうか。



【答え】 心因性頻尿 -意識を他に集中させる-

元木小児科 院長 元木 碎香(徳島市大和町2丁目)

 子供の頻尿を起こす病気には、尿路感染症、糖尿病、尿崩症などの器質的なものと、尿には異常がみられない心因性のもの(過敏性膀胱(ぼうこう)とか神経性頻尿とも呼ばれます)があります。

 尿路感染症の場合は排尿痛、蛋白(たんぱく)尿、膿(のう)尿があり、糖尿病には多飲多尿、尿糖を、また尿崩症には多飲多尿、低張尿(比重の低い尿)を認めます。

 ご相談の娘さんについては、これら器質的な排尿異常を疑わせる症状がないことから、心因性と考えられます。心因性頻尿は昼間の起きているときのみ生じ、夜間、頻尿のために睡眠が妨げられることはほとんどありません。また、昼間でも何かに集中しているときは尿意を感じないことが多いようです。

 心因性頻尿とは、ストレスによる心理的緊張により尿意を催すものです。例えば試験や発表会の前に尿意を感じやすくなることは、児童にしばしばみられますが、大抵は短期間で症状がなくなることが多く、病的とはみなされません。しかし、心理的な緊張が持続する場合には頻尿が続き、排尿に対する不安とともに自信がなくなり、症状が長期化してしまうことがあります。このような場合には特別な対処が必要です。

 症状発現のきっかけはいろいろ考えられます。例えば、以前尿路感染症にかかったときに我慢していた尿意が、尿路感染症が治っても続く場合や、子供が重大な心理的ショックを受けるような出来事、例えば友人の前でおもらしをしてしまったといった経験が発症のきっかけとなることがあります。

 ほかにも新しく始まった学校の集団生活での先生や友人とのトラブル、兄弟間の葛藤(かっとう)、親子関係の問題など、心理的緊張感を持続させる状況が続いていると、頻尿は長期化します。従って何がストレスとなっているかを注意深く見定め、対処する必要があります。

 対応の仕方は、基本的には排尿へ意識が集中し過ぎないようにすることです。例えば、いつでもトイレに行ってもよいこと、できれば学校の先生と相談して、休み時間以外でもトイレに行ける状態にしてあげて「心配ないよ」と安心させるだけで、よくなることがあります。何回もトイレに行くことを非難したり、尿を我慢させたりする方法は、いっそう尿意に意識が向いてしまうのでよくはありません。また本人の夢中になれる遊びやスポーツがあれば、それを勧めるのもよいと思われます。

 あなたの娘さんの場合、まずかかりつけの小児科を受診され、器質的な頻尿でないことを確かめた上で、症状の改善がみられない場合は、子供の心身症専門医に相談されることをお勧めします。

徳島新聞2002年3月17日号より転載

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