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【質問】 のどと鼻の間に痰のようなものが・・・

 77歳の女性です。約1年前から、いつものどと鼻の間のところに痰(たん)のような粘いものがひっかかって、気持ちが悪くてたまりません。食べ物を食べているときは何ともないのですが、食後に食べ物の小切れが痰にひっついている感じがあって、食べ物の小切れと痰を一緒に出してしまいます。何回も続けて出しても、粘いものは出てきます。1日中、ガーガーと、痰を出していて、のどがすっきりしません。人としゃべっていても、口と、のどの中が粘い泡のようなものでいっぱいになります。治療法はありますか。



【答え】 のどの感覚異常 -不安感取り除くのが大切-

河野内科 院長 河野 知弘(徳島市大道3丁目)

 ご質問から想像しますと、恐らく何回もあちらこちらの耳鼻科や内科を受診して、いろいろな検査の結果、異常なし、といわれているのではないでしょうか。こんなに気持ち悪く、粘い痰もあるのに異常がないわけはない、がんではないか、何か変な病気ではないか、と思っているのでしょう。

 きっときちょうめんでまじめ、ややせっかちで勝ち気な性格、多分50歳ごろには更年期障害も強かったのでは、とお察しいたします。そのような性格の人が老年期を迎えると、健康への不安からさまざまな身体症状を訴えることがあります。

 あなたのように、のどの奥に痰がひっかかったようになり、いつもガーガーしているような症状は「のどの感覚異常」というもので、中年以降の女性に多く見られます。また、しゃべると口の中が粘い泡でいっぱいになるとのことですが、だれでも大勢の人の前であいさつをするときなど、緊張してのどがカラカラになったりするのを経験しているはずです。

 また、興奮して話すことを「口角泡を飛ばす」といいますね。理由のない心の緊張、何かの心のつっかえがこのような症状を引き起こしているのです。舌に何もできていないのに、しみて痛い(舌痛症)とか、のどの奥か食道に何か物の詰まった感じ(ヒステリーボール)もよくある症状です。

 これらを総称して「心気症」といいます。身体のほんのちょっとの変調がいつも頭から離れず、医師から異常がないといわれているにもかかわらず、病気が見逃されているのではないかと心配して、しつこく異常を訴える病気です。

 自分にとって症状は確かに存在するのに、医師から何ともない、気のせいだといわれたら、プライドを傷つけられたような、あるいは自分の存在を否定されたような気になるのでしょう。医師や家族があなたのその症状を身体的な疾患と同じく、病気として評価し、受け入れていただければよいのですが。

 治療はまずせき払いをするのをできるだけ我慢してください。うがいもやめることです。局所への刺激はますます異物感を強めます。無理にせき込むことによって、のどの粘膜は赤くはれ上がります。

 次にご家族、友人などだれかに毎日話を聞いてもらってください。話を聞いてもらうことにより、心の風通しがよくなります。これが最良の治療法です。それに毎日、30分間くらい散歩してください。軽い運動は気分の落ち込み、不安を改善してくれます。

 最後にお薬ですが、今まで何度か抗不安剤などの精神安定剤とか、抗うつ剤を処方されたことがあると思います。きっとそれらのお薬の副作用が心配で、中途半端な飲み方をしていたのでしょう。必ず効果が出てきますから、かかりつけの先生を信頼して、規則的に服用してください。

徳島新聞1999年12月12日号より転載

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