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【質問】 原因に心当たりない

 娘のおねしょの悩みについて相談します。8歳ですが、毎朝おねしょをしています。身長は115センチ、体重は15キログラムです。しかると、かえってよくないと聞いたことがあるので、いつかは治るだろう、と気長に待っているのですが、なかなか治りません。夜もおしっこをしてから寝るようにしています。原因について心当たりはありません。あまり長引くようであれば、小児科で相談した方がいいのでしょうか。



【答え】 おねしょ -あせらずに根気よく-

幸地小児科院長 幸地 佑(徳島市昭和町4丁目)

 幼児期に見られるおねしょは生理的な現象ですが、学童期になっても続く場合に問題となります。おねしょは、薄い尿が夜間に多く出る「多尿型」と、実際に働くぼうこうの容量が減り、排尿の機能が未熟になっている「ぼうこう型」、そして、多尿型とぼうこう型両方の要因がある「混合型」に分けられます。

 治療法としては、生活指導と薬物療法があります。

 【生活指導】

 多尿型は食事指導として、夕食時や夕食後の水分、塩分の制限、タンパク質の過剰摂取の制限などを行います。摂取した水分の70~80%は、2~3時間の間に尿として排せつされるため、就寝前2~3時間の飲水、飲食の制限は夜尿を改善するのに効果があります。

 ぼうこう型は排尿訓練により、機能するぼうこうの容量の増加を目指すことです。昼間の排尿間隔をなるべく長くしたり、排尿時に一時的に排尿をやめたり、排尿時の排尿を抑制するなどして、排尿の機能訓練をします。

 混合型は食事指導と排尿訓練の両方が必要です。

 おねしょをしても、決して叱ってはいけません。子どもの夜尿に対する引け目や不安感、嫌悪感を減らし、新たに心因的障害が生まれることは防がなければなりません。おねしょの背景には心理的な問題のあることがあり、これらを解きほぐす心理的な治療で効果を上げることができます。おもちゃを使って、子どもに箱庭を作ってもらう「箱庭療法」を含む遊戯療法が行われたりします。

 おねしょの時間を見極めて起こすことは、見かけ上おねしょをなくしますが、子どもにとっても家族にとっても、ストレスを増加させるだけです。ただ、起床の2~3時間前に起こすことで、おねしょがなくなれば、例外的に起こすこともあります。

 冬になり寒くなると、おねしょが悪化することがしばしは見られます。冷え性への対策も必要です。就寝前にゆっくり入浴させ、寝具はあらかじめ保温しておくとよいでしょう。 

 【薬物療法】

 「三環系抗うつ剤」という薬が効果的なようです。この薬は、利尿を抑えるために下垂体から出る「抗利尿ホルモン」の分泌を促進させ、ぼうこうに尿がたまると、その刺激で目覚めさせる作用があります。

 多尿型で、三環系抗うつ剤の効果がないときは「下垂体抗利尿ホルモン」(デスモプレッシン)の点鼻薬が使われることがあります。しかし、使用できる年齢は8~10歳以上です。

 おねしょは、特別な治療をしなくても、思春期までにその90%以上が自然に治ります。10歳未満の学童期の子どもだと年に14%づつ、10歳以上だと16%づつの割合でそれぞれ自然治癒していきます。あせらず根気よく生活指導などを続けてください。

徳島新聞1999年1月24日号より転載

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