徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

徳島県小児科医会 日浦恭一

 食物アレルギーの原因を診断する時にもっとも大切なことは、何を食べて、どのような症状が出たか、どのような状態で出たのかを詳しく問診することです。食物アレルギーの大部分は問診で疑われます。

 食物アレルギーは粘膜・皮膚・消化器・呼吸器・全身の症状として現れます。

 原因食物摂取後もっとも早く症状が現れる場所は粘膜です。症状は口腔粘膜から口唇、舌、咽頭、喉頭に広がり、眼球の症状も見られます。口腔粘膜や口唇、舌の違和感や腫脹、のどの痒み、イガイガ感、喉頭の違和感、喉頭の絞扼感、喉頭浮腫、かすれ声などが見られます。眼の症状としては眼球結膜の充血や浮腫、そう痒感、流涙が出現します。

 皮膚症状としては、かゆみ、じんま疹、皮膚の発疹が見られます。目の周囲の浮腫や顔全体の浮腫も多く見られます。

 消化器症状としては腹痛、悪心、嘔吐、下痢、血便などが見られます。

 呼吸器症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻閉などの上気道症状が見られる他、せき、喘鳴、呼吸困難が出現します。全身症状としてはアナフィラキシーで、顔色不良、ぐったりした虚脱状態、傾眠などの意識障害、血圧低下などのショック症状が見られます。

 特別な食物を摂取した後に上のような症状が現れた場合には食物アレルギーを疑い、原因食物の確定と除去が必要となります。

徳島新聞2010年10月20日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.