徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

徳島県小児科医会 日浦恭一

 新型インフルエンザが大流行しています。喘息などの慢性の呼吸器疾患を持つ子どもが新型インフルエンザにかかると重症化しやすいと言われます。今月は基礎疾患として大切な喘息について考えてみました。

 喘息の発作は夜間にひどくなることが特徴です。布団に入ると咳が多くなり、「ヒューヒュー」とか「ゼーゼー」という息づかいで、息苦しさを訴えます。昼間は咳も少なく元気にしているのに、夜になると咳き込み、呼吸困難を訴えて眠れなくなることもあります。

 喘息は気管支の平滑筋が発作的に収縮して気道の内側が狭くなる病気で、換気が悪くなり、呼吸困難を訴えます。気管支の収縮とともに分泌物の増加や気道粘膜の腫脹が見られ、呼吸困難が強くなります。

 喘息発作の特徴的な呼吸音は「ヒューヒュー」と表現される呼吸音です。これは気道が狭くなった所を空気が無理に通るときの音で、笛を吹く音に例えらます。呼吸機能の弱い乳幼児では呼気の勢いが弱いために「ゼーゼー」と聞こえます。

 「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」などの異常な呼吸音が聞こえる場合には喘息の他に細気管支炎や気道の異物なども疑います。睡眠障害や呼吸困難を訴える時にはこれらの呼吸器系の疾患を鑑別するために早めの受診が必要です。

徳島新聞2009年12月9日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.