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徳島県小児科医会 日浦恭一

 乳児は何にでも興味を示して手にしたものはまず口に入れてみます。子どもが口に入れるのは食物だけではありません。危険な物でも平気で口に入れます。

 口に入れた異物がのどから気管に入れば気道異物となります。消化管に入れば消化管異物です。入った物が吸収されて不都合な症状が出れば中毒と言います。

 気道異物の原因で多いのはピーナッツなどの豆類ですが、口に入る物なら何でも異物になります。アクセサリーやおもちゃは口に入れやすいので注意が必要です。

 異物が気道を完全に塞いでしまえば窒息しますから直接生命に関わります。気道と異物の間に隙間があれば窒息は免れますが、気道は狭くなり換気障害から肺の過膨張や呼吸不全となります。

 また異物が気道壁に長く留まると気道壁に炎症が起こり、気道内の分泌物が増加し、肺炎や無気肺を起こすことがあります。

 気道異物は自然に排出されることはありませんから、異物が疑われる場合には、早く診断をつけて処置することが大切です。

徳島新聞2009年11月11日掲載

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