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 子どもにとって食事は大切なものです。それは、子どもが大人に比べて活動性が高く消費カロリーが多いこと、成長にともなって使用する栄養も大量に必要なためです。さらに食事は親子関係や生活習慣の確立に大きな役割を果たしているからです。今月は子どもの食事や栄養について考えてみました。

 新生児期から乳児期前半は母乳または育児用ミルクだけで栄養のすべてをまかなっています。母乳が十分に飲めていれば栄養的に不足することはありません。したがって離乳食を始めるまでは母乳以外の食品を与える必要はありません。

 生後5~6か月に、はじめて母乳以外の食品を口にします。これが離乳食です。離乳食にはなめらかにすりつぶした粥を使います。最初は1日1回、1さじから始め、子どもの状態を見ながら徐々に増やしていきます。食べられるようであればすりつぶした野菜なども使って、少しずつ食品の種類を増やします。

 6~7か月になると離乳食の回数を2回にします。食品の固さも舌でつぶせるくらいにします。アレルギーの心配がなければ魚や肉類の他にタマゴ、豆腐、乳製品なども使用します。

 9~10か月で3回食にすすめます。はぐきでつぶせるくらいの固さにして、全粥からやわらかめの米飯を使用します。この時期、母乳やミルクは欲しがるだけ与えます。

 離乳食を乳児の発達段階に応じて与えるのは、子どもの「食べる」という機能が、新生児期から乳児期、幼児期にかけて徐々に発達することに合わせているためです。

 食べることや飲むことは本能であり誰でも生まれつき簡単にできると思い勝ちですが、「食べる」という行動も、他の人が食べるところを見て、そのまねをして学習し、獲得する生理的な機能のひとつです。最近は、大勢で一緒に食事をとる機会が少なくなりましたから、正しく食べることを親子で学ぶ必要があるのです。

2008年4月9日掲載

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