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県民の皆さまへ

 今回は予防接種の広域化についてお話をしたいと思います。広域化とは市町村の枠を超えて自分の受けたい地域の医療機関や医師によって予防接種を受けることができる制度のことを言います。

 現在、定期予防接種は市町村が実施主体ですから、居住地内の医療機関で受けています。しかし予防接種は個別接種で受けることが原則ですから、できるだけ普段から診てもらっているかかりつけ医での接種が望まれます。かかりつけ医は本人の病歴や体質、その時の体調をもっともよく知る者ですから予防接種を受ける場合にはもっとも適切な医者であると考えられます。

 しかし居住地にかかりつけ医がいない場合など、やむを得ずに他の市町村の医療機関で診察治療を受けている人も居ます。このようなときに現在の制度では簡単に他の市町村で予防接種を受けることはできません。

 そこで平成19年4月からは徳島県内の市町村ではどこでも予防接種を受けることができる制度を実施することになりました。徳島県、各市町村、徳島県医師会、日本小児科医会徳島県支部が協力してこの制度を実施するわけです。

 定期接種の中でポリオを除くBCG、三種混合、二種混合、麻疹(ましん)、風疹(ふうしん)、麻疹風疹混合、日本脳炎の各ワクチンがこの制度の適用を受けます。 この制度を利用できる医療機関は県医師会がまとめています。現在、県内の市町村はそれぞれ独自に接種料金を設定していますから、医療機関側の事務手続きは大変煩雑なものになります。4月に制度実施に踏み切りますが今後の利用状況によっては市町村間での制度の簡素化などについて話し合いをする必要があります。

 この制度は現在の各市町村で行っている予防接種をすべて他の市町村で行おうとするものではありません。現在の制度の下でどうしても受けることができなかった人や、どうしても他の地区の医療機関で接種したい人に接種の機会を提供するためのものです。初年度の実施状況を見て、今後さらに利用しやすい制度に改善していく予定です。

2007年3月27日掲載

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