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県民の皆さまへ

 前回までは生体リズムの基本的な考えについてお話ししてきました。今回は子どもの睡眠の発達についてお話ししたいと思います。

 生まれたばかりの赤ちゃんは1日中寝たり起きたりしていて昼夜の区別はありません。赤ちゃんが寝ている時の顔をじっと見ていると、いろいろな睡眠の特徴が明らかになります。起きている時間は比較的短くてほとんど1日中眠っているように見えますが、寝ている時でも笑ったり、目が動いたり、活発に動く睡眠状態があります。これがレム睡眠です。睡眠には身体の疲れを取るレム睡眠と、脳の疲れを取るノンレム睡眠があります。新生児期にはレム睡眠や浅い睡眠が多く、覚醒とレム睡眠や浅い睡眠の区別はつき難いものです。私たちは環境の24時間周期に同調して24時間のリズムを持っていますが、新生児期にはこのような24時間周期のリズムは明らかではありません。しかし新生児期の睡眠リズムもまったく均一なものではありません。詳しく観察すると比較的長く寝ている部分がありますが夜間に長く眠っているとは限りません。長く眠っている部分も毎日観察していると少しずつ時間がずれていきます。新生児も生まれながら24時間周期のリズムを持っていると考えられています。

 生後1~2ヵ月になるとかなり夜と昼の差がはっきりして、夜に長く眠り、夜間の授乳をしなくなる子どももいます。生後3~4ヵ月ではほとんどの子が明らかな24時間の睡眠リズムの確立を見ます。乳児期後半には1日数回の昼寝を必要としますが、夜間にまとまって眠り、昼間に起きている時間が長くなり動きも活発になります。

 睡眠リズムが確立する3~4ヵ月頃には体温のリズムや内分泌系のリズムもほぼ確立されます。生まれながら持っていた生体リズムが環境に同調してきたものと考えられます。

 子どもの生活のリズムは家族の生活リズムに影響されます。家族全員が早寝、早起きの習慣を守り、規則正しい生活リズムを続けて健康的な生活を送りたいものです。

2003年7月22日掲載

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