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 麻疹の伝染力は非常に強く、免疫の無い人が接触すると100%感染すると言われています。さらに麻疹は非常に重篤な疾患であり、適切な医療を受けない場合の死亡率は2~5%であるとされます。また脳炎の合併率は1,000人に1人であり、脳炎を発症した場合にはその4分の1が死亡するといわれます。子どもには絶対にかからせたくない疾患です。

 最近、全国各地で麻疹の流行が見られて問題になっています。麻疹にかかるのはほとんどが麻疹ワクチンを接種していない乳幼児ですが、ワクチン接種して年月の経った長年児や成人の麻疹も見られております。麻疹が流行するのは集団の麻疹に対する免疫が低下しているためであると考えられます。麻疹の流行を阻止するためには多くの人達が抵抗力を持つ必要があります。麻疹では流行を阻止する集団免疫率が90~95%必要であると言われます。麻疹の流行を抑えるためには集団が極めて高い免疫率を保つ必要があるという訳です。この免疫率が維持されていない場合には免疫のない人が年々蓄積して、免疫のない人が多くなりますから、数年毎に麻疹が繰り返し流行することになります。ワクチンが無かった時代には2~3年毎に麻疹の流行が見られました。ワクチンが普及してからは定期的な流行はありませんが、それでも何年か毎に流行が見られるのはワクチン接種率が90%以上にならないからに他なりません。現在、定期予防接種は90ヵ月までに接種することになっています。従ってワクチン接種率が90%であると言っても2歳未満児の接種率が90%ある訳ではありません。1歳を過ぎれば出来るだけ早い時期にワクチンを接種し、1歳児の接種率を90%以上にしてこれを毎年積み重ねることで3歳までの接種率を95%以上に持っていくことが目標になります。個別にワクチンを2回接種しても流行を阻止することは出来ないとされます。1歳児のワクチン接種率を90%以上になるように、出来るだけ早期にワクチンを接種することが望まれます。

2003年5月13日掲載

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