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 風疹は俗に「三日バシカ」と呼ばれているように、多くは発疹と発熱が主症状の数日間で治るウイルス感染症である。しかし、稀に血小板減少性紫斑病(血小板が少なくなるため血液が凝まりにくくなり、脳出血などが起こりやすくなる病気)や脳炎といった重篤な病気を起こすこともある。さらに妊娠の初期に妊婦が感染すると、白内障、心臓病、難聴などの先天性風疹
症候群児が高い確率で生まれることがある。

 1964年アメリカで風疹の大流行があり、翌年には沖縄、さらに一年後には日本全国に広がった。その後は5~8年間隔で全国的な流行が繰り返され、最近では1992~1993年に小規模な流行があった。しかし、これ以後は全国的な流行はなく、近い将来大きな流行が心配されている。35年前の沖縄での風疹の流行では400人以上もの先天性風疹症候群児が生まれたといわれ、その後、流行が繰り返されるたびに、風疹にかかった妊婦の多くが人工妊娠中絶を受けている。このような不幸な出来事を繰り返さないためには、ワクチン接種をして、免疫を高めておくことが大切である。

 我が国では風疹ワクチンは先天性風疹症候群を予防1977年より中学生女子を対象に接種していた。その後1994年の予防接種法の改正で幼児期に男女共に接種されるようになり、この変更で接種漏れとなる年代ができるので、経過処置として、小学校1年生と中学生にも接種するように変更された。ところが、全国的に学童の接種率が低くなっており、風疹の流行がない年が十年近くも続いているため、若い年代層では風疹の免疫がない人が増えていることから、近々風疹の大流行も懸念されており、学童の低い予防接種率は大変心配な事態といえる。学童に対する経過処置は2003年まであり、それ以後は予防接種法に基づく接種は接種は出来なくなるので、ぜひ風疹ワクチンを接種しておきましょう。

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