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【答え】 ペロニー病(形成性陰茎硬化症) -漢方薬など服用も有効-

赤沢医院 副院長 前林 浩次(徳島市川内町沖島

 勃起時に、陰茎が弯曲(わんきょく)する成人の代表的な疾患には、陰茎弯曲症とぺロニー病(形成性陰茎硬化症)があります。いずれも良性の疾患です。

 陰茎は2種類の海綿体で構成されています。そのうち勃起するために重要な役割を果たすのが陰茎海綿体で、陰茎の上方に左右一対あります。その内部はスポンジのような海綿体と血管からなり、また周囲は三層の強じんな結合組織からなる白膜に包まれています。なお、下方にある尿道海綿体は、その中を全長にわたり尿道が貫いています〈図参照〉。

 陰茎弯曲症は、尿道海綿体と陰茎海綿体、または左右の陰茎海綿体の長さの違いで勃起時の陰茎に弯曲が生じると考えられ、若い人にもみられます。海綿体の発育の差が原因とされています。

 ぺロニー病は、中年以降に多く発症し、陰茎海綿体の白膜が部分的に硬くなる疾患です。この硬結で、勃起時に海綿体の伸展が制限されるため、硬結のある側に陰茎が弯曲〈図参照〉し、その際痛みを伴います。その後、次第に痛みは軽くなりますが、陰茎の湾曲は固定したままになり、挿入不能や性交痛といった性交障害に悩まされます。患者さんにとって、精神面でも影響の大きい疾患です。

 ご質問から推測して、あなたはこのぺロニー病に悩まされているものと考えられます。以下、その原因や診断、治療法について記します。

 ぺロニー病の発生原因はあまり明らかになっていませんが、加齢による白膜の退行性変化によるものとの考えがあります。また、組織学的には、硬結部に慢性炎症像があることから、外傷、血流障害、代謝障害、栄養障害なども原因として指摘されています。過去に、陰茎に外傷を負ったことがある場合には、若年層でも発症することがあります。

 あなたの相談ですが、内視鏡手術後の経過に問題がなかったとすれば「内視鏡手術の後遺症」ではなく、手術後3カ月ぐらい後に、たまたまぺロニー病が発症したと考えるのが妥当かと思います。前立腺肥大症の内視鏡手術後に、ぺロニー病を併発したとの報告は見当たりません。

 診断は白膜の硬結を触診で確認することで容易にできます。また人工勃起(プロスタグラディンE1の局所注射による)で、陰茎の弯曲の部位や程度を見極め、その後の治療の参考にします。

 次に治療ですが、保存的な治療と手術があります。自然治癒(ゆ)も約半数にみられるとの報告がありますが、あなたはぺロニー病の発症を自覚してすでに四年たっており、かつ「だんだんひどくなり」自然軽快の傾向が認められません。原則的には保存的治療から始めるのがよいと思われます。

 ステロイドや漢方薬(柴苓湯)などを内服することにより消失することも期待できますから、半年ぐらいは根気よく続けてみることが必要です。内服が無効であれば、硬結部位に薬剤(ステロイドやベラパミルなど)を局所注射する方法もあります。ただし消失までの期間にばらつきがあり、比較的治療時間を要するかもしれません。しかしながら、症状が固定し、炎症の跡がすでになくなってしまっている場合には、保存的治療が期待できないことも少なくありません。

 手術は、症状が固定し、保存的治療が無効の場合に行います。方法は大きく分けると<1>白膜縫縮術(硬結のない側の白膜を縫縮する)と<2>硬結切除と白膜欠損部補てん術があります。どちらを選ぶかは曲がりの程度が主な判断基準になります。曲がりが強い場合は  <1>と<2>を併用することもあります。それぞれの手術方法には長所、短所があるため、各施設では手術前のチェック、縫合法の工夫や補てん材料の選択を行っています。

 まずは専門医の診断を受け、あなたに適切な治療法について相談されることをお勧めします。

徳島新聞2000年9月10日号より転載

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