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【質問】完治後、再感染の恐れは?

 小学校低学年の子どもの咳(せき)が10日以上続くので病院で診察してもらった結果、「マイコプラズマ肺炎」と診断されました。発熱後に頭痛などがあり、咳が長期間続くのが特徴だと聞きました。抗菌薬で治療していますが、完治後、また感染する恐れはあるのでしょうか。



【答え】数年たつと可能性あり

ふじの小児科クリニック 藤野佳世

 マイコプラズマ肺炎の原因菌であるマイコプラズマ・ニューモニエは、一番小さなクラスの細菌で細胞壁を持ちません。引き起こされる主な疾患は気管支炎と肺炎です。小児や若い人によく見られる感染症です。

 潜伏期は2~3週間とされ、咳からの飛沫(ひまつ)で感染します。家族内や学校内で集団発生が見られます。以前は4年ごとのオリンピックの年に大流行がありましたが、最近は散発的に小流行が続いていました。2011、12年は例年に比べ大きな流行が見られています。

 症状は、風邪のような発熱、頭痛、咽(いん)頭(とう)痛で始まり、乾いた咳が頑固に続くことが特徴です。熱があまり目立たない人もいます。胸部?線検査でスリガラス様の淡い影が見られることが多いです(異型肺炎)。

 他の細菌性肺炎に比べ、比較的一般状態が良い場合が多く、ウオーキングニューモニア(歩き回れる肺炎)との別名もあります。

 しかし、いろいろな合併症(発疹、貧血、中耳炎、髄膜脳炎など)を起こす場合があり、まれに重症となることもある疾患です。体力がある子どもや若い人でも、菌に対する体の免疫反応が強いため重症化することがあり、注意が必要です。

 診断についてですが、臨床経過と胸部X線での肺炎像からマイコプラズマ感染症が疑われ、血液検査で抗体上昇が見られるか、培養ないし遺伝子検査でマイコプラズマが検出された場合に、マイコプラズマ肺炎と診断されます。

 咳が長く頑固に続く場合にはマイコプラズマ以外にも、百日咳、喘(ぜん)息(そく)などがあり、鑑別診断が必要です。

 治療については、マイコプラズマは最初に述べたように他の細菌と違って細胞壁を持たないため、マクロライド系の抗生物質で治療しますが、最近、その抗生物質が効きにくい耐性菌が増えてきているとされています。他にも有効な薬剤はあるので経過によって利用されます。軽症の人も多いですが、重症化した場合は入院して集中的な治療が行われます。

 ご質問の子どもさんは病院にかかられ、診断、治療もきちんと受けられていると考えられます。マイコプラズマは肺炎の回復後、体から比較的速やかに消えると考えられていますが、気管内に数カ月とどまることがあるとの報告もあります。

 抗菌剤を投与された場合は比較的早く菌が消えるといわれていますが、熱が下がっても咳が残っている間は、マスクなど集団内での感染予防が重要です。家族内で感染を起こすこともよくありますので、2~3週間は注意が必要です。

 感染すると抗体ができて免疫力がつくのですが、麻疹、おたふくなどのウィルス性疾患と違って一生かからない免疫ができるわけではなく、数年たつと再感染を起こすこともあります。マイコプラズマ感染症は菌の強さではなく、体の免疫反応により重症化することがあるため、再感染の場合でも症状が軽くなるわけではないようです。

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