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【質問】 夜、左目に光を感じる

 65歳の女性です。昨年暮れに気付いたのですが、左目に蚊が飛んでいるみたいに、一つだけ、丸い黒点が動くのです。そして、夜になると、左目がピカーと光るのです。眼科を受診しましたが、炎症を起こして、神経を引っ張っているといわれました。でも、夜になると、左目がやはり光るので、気になります。網膜剥離(もうまくはくり)の前兆ではないかと心配しています。老化現象なのでしょうか。



【答え】 飛蚊症と光視症 -状態続けば眼底検査を-

徳島市民病院 眼科 田近 智之

 眼球の中で光を感じる部分は網膜といって、眼球の内側にフィルムのように広がっている神経の組織です。外の世界の光が瞳孔(どうこう)を通って網膜に当たると、網膜の細胞は、その刺激を信号に変え、視神経を通じて脳まで伝えます。

 実際にはないはずの光を感じる症状を光視症といい、網膜(あるいは視神経、脳)に何らかの刺激が加わっていることが考えられます。刺激といっても、いろいろで、まぶたの上から目を押さえても光を感じますし、強い光を見た後にも残像が見えます。網膜の血行障害や、質問にあるような炎症も、もちろん原因になります。

 蚊が飛ぶように黒い点が動くのが見える症状は、飛蚊症(ひぶんしょう)と呼ばれます。飛蚊症の原因の多くは、眼球の中の瞳孔の奥にある、硝子体(しょうしたい)という部分にあります。硝子体は眼球の容積の80%を占めており、無色透明で生卵の白身のような組織です。

 若い人では、硝子体は固くしっかりしており、網膜に接着していますが、加齢とともに硝子体は小さくしぼむように網膜から離れて、周りは水のようになってしまいます。このころには、硝子体は目を動かすにつれて、ふよふよと目の中でよく揺れるようになります。

 また硝子体には、特に網膜とくっついていた部分に、糸のような繊維があり、その影が見えるのが飛蚊症の原因で最も多いものです。このような変化は50-60代の人によく起こります。

 硝子体が網膜から離れていく過程で、網膜を刺激して光視症を起こすことがあります。暗いところで目を動かしたとき「視野の端の方で、線状の光が走るように見える」と訴える方が多いようです。

 このような飛蚊症は、ほとんどの場合、治療の必要がありません。質問のように、老化現象のひとつです。

 しかし、硝子体が縮んでいくときに、網膜を引っ張るような力が加わるため、網膜の血管が破れて目の中に出血を起こしたり、軟らかい網膜を破って網膜剥離になることもありますし、他の病気の症状のこともありますので、ぜひ眼科で眼底検査を受けてください。光視症を伴う場合は、網膜に対する刺激がやや強いと考えられますので、一度の眼底検査で異常がなくても、症状が続く場合には受診を続けてください。

 もし網膜に破れ目が見つかった場合、早ければレーザー(光凝固術)で治療できることが多いのですが、網膜剥離に進行した場合は、入院、手術が必要です。網膜に異常がなければ、光視症は時間とともになくなっていくでしょう。飛蚊症は完全にはなくなりませんが、これも時間とともに気にならなくなっていく傾向があります。

 補足ですが、眼科で眼底検査を受ける場合は、瞳孔を大きく開かせる目薬を使います。検査後も2~3時間はまぶしく感じ、焦点が合いにくくなって、車の運転などがしにくくなりますので、受診の際には注意してください。

徳島新聞2004年2月8日号より転載

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