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【質問】 便秘治らず苦悩の毎日

 76歳の女性です。20年以上前に子宮がんの手術をしました。その際、輸血をして肝炎を患いました。8カ月入院生活を経て退院できましたが、以来、便秘になりました。どうにかして治したいと思い、便秘についての講演も聴き、本も読みました。けれども、いまだ解消されず、苦悩の毎日で、下剤ばかりに頼っています。飲んでいる薬は、病院からもらった「プルセミド」と、薬局で購入した「新アスベン」です。下剤を服用した日は、体にこたえます。解消法を教えてください。



【答え】 弛緩性便秘 -速効性下剤や漢方薬効果的に-

冨田内科胃腸科クリニック 冨田 作(徳島市南田宮1丁目)

 便秘という病気は、私たち医者もよく相談される疾患の一つですが、なかなか完全な治療ができにくいものです。私なりの意見を述べてみたいと思います。

 まずあなたの便秘の原因ですが、約25年前の子宮がんの手術後に発症していますので、腸管の癒着などによる器質的な病変も否定できません。また、高齢ということで、腸管の運動が低下する蠕動(ぜんどう)不良による弛緩(しかん)性便秘症が考えられます。このような方の日常生活や食生活については、いろいろな注意が必要といわれています。

 まず野菜や海藻など、食物繊維を多く含んだ食物を十分に摂取することが大事です。食物繊維は、直接大腸粘膜を刺激し、蠕動運動を亢進(こうしん)するからです。朝食は必ず取る習慣を付けましょう。また朝、起床時にコップ1杯の水分を取ることも、朝の腸管の運動を亢進させます。主食は米食の方がパン食より便秘によく、乳製品、香辛料なども効果があります。

 また、1日30-60分程度の散歩をする習慣を付けましょう。腸管の運動を促進させます。便意を感じたらすぐトイレに行く習慣を付けることも大事なことです。

 以上のようなことを、日常生活において、できるだけ留意し、規則正しい生活を送るとよいでしょう。

 上記のことを守っても、なお便秘が解消されない方には、下剤の処方をすることになります。現在いろいろな下剤が使われています。

 当院では、習慣性の弛緩性便秘の患者さんには<1>習慣性がなく、軟便性があり、腸管の運動を促進する酸化マグネシウムとパントシンを処方します。緩やかな排便が期待できます<2>それでも不十分な方には、速効性のある下剤を頓用(とんよう)に加えます。以上のような処方で規則的な排便が得られるように思われます<3>さまざまな漢方薬を効果的に使用することもあります。

 今回の相談者は「プルセミド」および頓用の下剤を便秘後3日目に服用し、さらに薬局で購入した「新アスベン」を服用しているとのことです。現在の服薬にて排便がありますので、そのままでもよいかと考えられますが、排便後、体にこたえるようでしたら<1>の処方を試してみるのもよいと思います。

 またプルセミドのような腸の動きを活発にさせるためのセンナ製剤を長期間常用すると、習慣性になったり腸管の運動が弱くなったりすることが報告されています。あまり効果が弱いようでしたら、他の漢方薬に変えてみるのも一法かとおもいます。現在、治療を受けている主治医の先生に、よく相談してみてください。

 長年の便秘症状で、だいぶん気分的にも落ち込んでいるようですが、外国の統計によると、高齢の女性の50%が便秘であるとの報告もあります。あまり悩み過ぎないで、明るい気持ちを保って、疾患に立ち向かってください。

 最後にぜひ一度、便Hb検査を受けてみてください。もし陽性であれば、大腸の検査が必要となります。そのときは、主治医の先生とよく相談されることをお勧めします。

徳島新聞2004年2月15日号より転載

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