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【質問】意思と無関係に涙が出る

 70代の男性です。昨年から意思に反して涙が出るようになりました。眼科に行くと「涙腺が詰まっているのではないか」と詳しく調べてくれましたが、異常は見つかりませんでした。その後も、涙がぽたりと落ちるほど出ます。年齢的なものでしょうか。放置しておいてもいいのでしょうか。なぜこのような症状が出るのか教えてください。

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 藤田眼科 下江千恵美 先生

 【答え】原因に合わせ対策を

 涙が目にたまり、時にあふれてしまう流涙症(りゅうるいしょう)は、強い不快感が生じるだけではなく、過剰な涙液が視力の質を低下させると考えられています。流涙を自覚される方は非常に多く、原因は涙の分泌量が多いために起こる分泌性流涙と、涙の流れを妨げるために起こる導涙性流涙に大別されます。

 分泌性流涙の原因としては逆まつげ、異物、結膜炎、角膜炎、ドライアイなどが挙げられます。逆まつげや異物、結膜炎、角膜炎などでは、刺激や炎症によって反応性の涙が分泌されます。

 ドライアイは、涙の量が正常でも、質の問題で涙が蒸発しやすいタイプもあります。目の表面が過敏になっているため、過剰に涙が分泌されて流涙を起こします。

 一方、導涙性流涙の原因としては眼瞼(がんけん)外反、眼瞼下垂、顔面神経麻痺(まひ)、結膜弛緩(しかん)、涙道閉塞(へいそく)などが挙げられます。

 涙は上眼瞼外側にある涙腺から分泌され、10%程度が蒸発します。残りは上下の眼瞼鼻側にある涙点から、涙嚢(るいのう)、鼻涙管、鼻腔の開口部へと続く涙道を通って喉の奧へと流れます<図参照>。

 まばたきは、涙を涙点から涙道に引き込む役割を担います。しかし、眼瞼外反や下垂、顔面神経麻痺では、まばたきに不具合が起こり、涙を引き込む力が弱くなって目に涙がたまってしまいます。

 年齢とともに白目(結膜)が緩んでしわができ、そのしわが堤防のようになって涙の流れを妨げる結膜弛緩症も、流涙の原因となります。

 中高年に多い涙道閉塞は、涙の通過障害となって強い流涙を引き起こします。涙道が閉塞しているかどうかは、涙点から生理食塩水を注入し、喉まで流れるかどうかを確認する通水検査が一般的です。

 ご相談者の場合、通水検査で涙道に閉塞が無かったとのことですので、他の要因としてまぶたの異常や結膜、角膜に問題が無いかどうかを眼科で再度確認してもらうことをお勧めします。

 また、涙道の通水検査で生理食塩水が流れていても、涙道内の感染や涙石の存在のほか、涙道狭窄(きょうさく)の場合も流涙は発生します。これらが強く疑われるときは、涙道内視鏡での涙道内の直接観察が有用です。

 流涙症は、眼瞼、眼表面、涙道領域のさまざまな疾患が原因となります。特に高齢者は原因疾患が複数あることも珍しくありません。まず原因に合わせた治療・対策法を考える必要がありますが、原因疾患が複数の場合は、それぞれの疾患の流涙症への影響度を評価して、治療の優先順位を決めることになります。

 

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