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【質問】 昼夜問わず鼻血が出る

 小学生の女の子のことです。鼻血が、昼夜を問わず月に何回も出ます。量が多い時もありますが、すぐに止まります。耳鼻科ではアレルギーだと言われました。アレルギーで鼻血が出ることがあるのでしょうか。治す方法はありますか。ほかに悪い病気があるのではないかと心配です。



【答え】 鼻出血 -アレルギー治療徹底を-

山下耳鼻咽喉科クリニック院長 山下利幸(吉野川市山川町)

 来春のスギ花粉の飛散量は、今年の10倍くらいに増加すると予測されています。おそらく、質問者の女児のように鼻血を訴える患者の数も増えるでしょう。

 鼻アレルギーでは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状のほかに、鼻血も高頻度で見られます。原因は、鼻粘膜に加えられる物理的な刺激がほとんどです。▽鼻がかゆくてこすってしまう▽鼻の入り口に鼻くそがつきやすいので指を鼻の穴に突っ込む▽鼻をかむ回数がとても多く、気持ちが悪いので強くかむ-などが考えられます。

 鼻中隔粘膜にあるキーゼルバッハ部位(血管が鼻粘膜の表面に集まる場所)は、鼻の入り口から指が届く範囲の距離にあり、血管壁は容易に傷ついて出血が起こります。小鼻を圧迫することですぐ止血し、大量出血はありません。しかし、いったんこの場所が傷むと、くしゃみをしたり、顔を洗ったりするだけのささいな刺激でも鼻血が出ることがあります。

 そのほか、鼻アレルギー治療薬の一部の副作用として鼻血が出やすくなったり、点鼻薬の刺激でも鼻血が出たりすることがあります。

 治療で一番大切なことは、アレルギーを徹底して治療・予防することです。アレルギー炎症が治まると、鼻の違和感が治まり触ることが少なくなります。鼻粘膜に対する刺激が解消され、血管壁も安定して次第に鼻血の頻度も減少します。

 また、正しい鼻のかみ方を教えることや、鼻をいじる癖を直すことも大切です。私の医院では、アレルギーの原因が何かを検査し、原因を除去(空気清浄機の活用など)・回避(マスク使用など)するよう指導します。その上で適切なアレルギー治療薬を処方します。鼻の入り口の乾燥を避けるため、軟こうも使用します。

 私が実施している鼻血に対する直接的な止血法は<1>小鼻の圧迫止血法<2>薬品による鼻粘膜の焼き付け<3>電気メスによる焼き付け<4>APC(アルゴンプラズマコアギュレーター)による焼き付け<5>さまざまな止血用の医療材料を鼻の中に詰め込むこと(止血タンポン)-などです。これらの中から、出血の状態や程度、患者の年齢などを考慮して治療法を選択します。

 問題なのは、完全な止血が得られる治療法は、実施に際して痛みや刺激が伴いやすいということです。特に<3><4><5>は、処置の際にあらかじめ局所麻酔をして痛みを軽くするようにしていますが、幼小児で我慢できる子どもはあまりいません。耳鼻科医とよく相談してください。

 ほかに悪い病気がないかとのご心配ですが、まずは全身を裸にして皮膚をよく観察してください。打撲した覚えがないのに青あざができていないか、小さな皮下出血が点々と広がっていないかがポイントです。また、出血量が多かったり、止血に時間がかかったりする場合も血液検査をする必要があります。

 鼻血の治療はなかなか容易ではありません。よくなったり悪くなったりすることがありますので、耳鼻科医とよく相談して治療してあげてください。

徳島新聞2010年12月19日号より転載

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