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【質問】 子どもに手を出してしまう

 6歳の男の子を持つ20代の母親です。子どもは、はしゃぎ盛りで、ついついしかってしまいます。最近は手が出てしまうようになりました。子どもはとてもかわいいのですが、夏休みに入って一緒に過ごす時間が長くなり、うまく対処することができません。子どもの虐待のニュースを見ると、このままではいけないと思うのですが、どのように接したらいいのか分からず、迷っています。どうしたらいいのでしょう。どこか相談できるところがあれば教えてください。



【答え】 子育ての悩み -市町村などに支援窓口-

徳島大学病院 子と親のこころ診療室長 二宮 恒夫

 質問の内容のような苦労は、多くのお母さんが経験していることと思います。6歳は第一反抗期のころで、しかっても同じことを繰り返し、親の怒りを楽しんでいるのではと疑ってしまうような行動を取るかもしれません。親としては、これがいつまで続くのだろう、もういい加減素直になってくれてもいいのに、と思うでしょう。1日中子どもと接していれば、しからずに1日が終わるということはないと思います。

 お母さんは、「子どもは小さいうちにきちんとしつけなければ、大きくなってからでは間に合わない。子どもの心の発達にお母さんの影響は大きい。だからお母さんしっかりしなさい」という本当らしき風評に惑わされます。そのため、「子どもが素直に言うことを聞いてくれないのは、私のしつけ方は間違っているからなのでは」と考えます。「子育てに気持ちのゆとりを持てないのは、私の性格が短気なのだろうか。他のお母さんは楽しそうに育児している。子育ては私に向かないのではないか」と、最終的に自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

 子育てでは、親が自分にしたことを、今度は自分が子どもにしていることがしばしばあります。よくしかられて育ったのであれば、子どもをよくしかっていることがあります。子育ては世代間連鎖といわれています。

 この場合、子どものどのような行動をしかっているのか、具体的な場面を伝えて、相談するのが良いと思います。

 虐待という言葉での相談は、世間の目を考えれば躊躇(ちゅうちょ)しがちになります。しかし、このようにお母さんの気持ちを率直に出すことは、社会の子育て支援体制を、心の面で充実させるために大切なことです。多くのお母さんに子育ての大変さを率直に語ってもらい、それにこたえることができるよう、子育て支援にかかわる私たちが努力しなければなりません。

 住んでいる市町村(市役所や役場)の子育て支援窓口では、電話相談や来所相談ができるところや、問題が解決できそうなところを紹介してもらえます。一度、相談してはいかがですか。納得し、悩みが少しでも改善するような適切な相談者に出会うことを望んでいます。

 【相談窓口】

 ▽徳島県子育て支援ホームページ「みらい」 http://www1.pref.tokushima.jp/mirai/

 ▽子ども何でもダイヤル(県中央児童相談所)〈電 088-626-0874〉

 ▽子どもに関する相談(こども家庭支援センター「ひかり」)〈電 088-666-2211〉

 ▽子どもの心の電話(県医師会)〈電 088-657-0556〉

 ▽県立総合教育センター特別支援課〈電 088-672-5200〉

 ▽徳島文理大学臨床心理相談室〈電 088-622-0072〉

 ▽鳴門教育大学教育実践センター心理・教育相談室〈電 088-687-6622〉

 ▽徳島大学大学院人間・自然環境研究科臨床心理相談室〈電 088-656-9849〉

 ▽徳島大学病院子と親のこころ診療室〈電 088-633-7132〉

徳島新聞2007年8月12日号より転載

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