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【質問】 適切な治療方法は

 62歳の主婦です。5年前、右足の座りダコのできる上の関節のところに、大きな脂肪の塊ができて手術をしました。その後遺症で右脚の甲はずっとしびれています。立って用事をしたり、歩くと右足裏、左足裏、全体がしびれ、立っている感覚が変になります。手術をした傷の上部が、時々差し込むように痛み、足を平行にしてマッサージをすると楽になります。今年になって両足裏の中指や、足先からかかとまでの小指側半分に、いつも何か異物がくっついているようで、ますます歩行困難になってきました。4年ほど前、病院で「脊椎(せきつい)管狭さく症」で腰から来ていると言われました。異物のくっついている足裏の感覚も、腰から来ているのでしょうか。針きゅう、整体などもしました。適切な治療方法を教えて下さい。



【答え】 足のしびれ -重症には手術が必要-

松永病院 院長 松永 茂樹(徳島市庄町4丁目)

右足の甲のしびれと、脂肪の塊の切除手術は関係がないと思います。立つとしびれが左足にも出てきて、歩いているとしびれが強くなり、かがみこむとしびれが軽くなっているようです。しびれの原因を考えてみましょう。

 一般に、しびれている部分の神経や血管の働きが変になることに伴う場合と、脊椎に原因のある場合の大きく二つに分かれます。

 圧迫で血管が急に狭くなったり、血管の中の血液が固まって詰まることが原因で歩行障害が起きる場合は、一方の足のみのことが多いのです。

 しかし、神経に原因がある場合は少し複雑です。長く座っていて起こるしびれは、足の血管と神経を圧迫するために起き、足のその部分に原因があるため、そこをマッサージ すれば治ります。

 次に、脊椎に原因がある「脊椎管狭さく症」について説明します。両方の足には、血管や神経が同じように走っています。血管は心臓から足に血液を送り、神経は脊椎の中の脊髄(せきずい)を源に、両方の足に走っています。

 図は、第4腰椎(ようつい)と第5腰椎です。足に走っている神経は、神経根管から出ています。脊椎管の中には脊髄液と、馬尾神経叢(ばびしんけいそう)というソウメンのようなものがあります。これらを圧迫すると、両足がしびれます。では、脊椎管の中の圧迫はどのようにして起こるのでしょうか。

 老人になると、脊椎管の壁が硬くなる「変形性脊椎症」が起こります。その結果、脊椎管を構成している靱帯(じんたい)や神経根が硬くなり、脊髄液の循環が悪くなります。また、脊髄や馬尾神経叢の血管も動脈硬化を起こし、血液のめぐりも悪くなります。そうすると、無酸素状態になる部分ができ、神経の働きが悪くなります。

 身体を動かすことや起立、歩行で、脊椎管の中にかかる圧迫の度合いは変わりますが、脊髄の血管が硬くなっているために対応ができず、神経の情報伝達が悪くなって両足のしびれが強くなり、歩けなくなります。その結果、うずくまることで、神経の働きの回復を待つという動作をするようにになります。これがこの病気の特徴です。

 初期の場合は、注射や特殊なコルセットなどで治療できますが、重症になると、脊椎への圧迫を除去する手術が必要となります。

徳島新聞1999年1月3日号より転載

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