徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 薬を飲み続けなければ・・・

 68歳の主婦です。何を食べても、のどに詰まったような痛みがあり、胸やけもひどく、苦しいほどの辛抱をするときがあります。今年4月に胃カメラをのみ、8月の集団健診で胃透視の検査をしましたが、食道にヘルニアができているとのことでした。食べ物は何でも食べていますが、死ぬまで薬を飲み続けなけらばならないのでしょうか。内科の先生には「薬で完治しない」と言われました。手術を考えた方がいいのでしょうか。身長は148センチですが、体重が65キロあります。やせなければいけないことは分かっています。どんな治療法がありますか。



【答え】 食道裂口(れっこう)ヘルニア -進行すれば手術必要-

矢野診療所 院長 矢野 嘉朗(徳島市佐古一番町)

 食道ヘルニアには、生まれつきのものや外傷性のものもありますが、ほとんどは食道裂孔ヘルニアで、30歳から60歳までの女性に多いといわれています。質問からみて「食道裂孔ヘルニア」と思われますので、それについてお答えします。
 
 正常な状態の食道=図1=は、横隔膜を通って胃の上部(噴門)に続きます。ところが、噴門部の横隔膜による固定が緩んでいて、胃の一部が胸部に出ている状態になることがありますが、これが「滑脱性食道裂孔ヘルニア」=図2=です。また、胸部の一方に偏って出ている状態を「傍食道裂孔ヘルニア」=図3=といいます。

食道裂口ヘルニア

 食道裂孔ヘルニアには、胸焼け、胃が張る感じ(胃部膨満感)、ものがのみ込みにくくなる、胃の痛み、シャックリ、どうき、息がしにくくなるなどの症状があります。これは逆流性食道炎といって、胃液の逆流で食道の粘膜が炎症を起こし、ただれや潰瘍(かいよう)、出血などを引き起こすためです。あなたの場合は、食道粘膜に、ただれや浅い潰瘍ができていると思われます。

 治療方法は、粘膜の状態やヘルニアの程度によって違ってきますが、大きく次の二つに分かれます。

【保存的療法=手術しない場合】

 胃酸を減少させる目的で、制酸剤と上部消化管の運動を促す薬を飲み、寝る時は上半身を高くし、胃液が食道内に逆流するのを少なくしたり、食後にすぐ横にならないように気をつけます。

 太った方の場合は腹圧のために胃液の逆流が起こりやすいので、体重のコントロールにも気をつけてください。これらの方法を1カ月ほど続けても良くならない時は、手術が必要になります。

【手術療法】

 食道の潰瘍やビラン、出血の状態がある程度進行しているとか、上につり上がった胃にも潰瘍ができているような場合は、手術をするしかないと思われます。手術は、食道裂孔ヘルニアの整復と逆流防止手術が必要です。

 一般的には開腹して行いますが、場合によっては開胸して行うこともあります。心配するような大きな手術ではありませんので、優れた外科医のいるところで行えば安全です。

徳島新聞1998年12月27日号より転載
  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
  • 健康経営優良法人2019の認定を受けました。
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.