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徳島県小児科医会 日浦恭一

 子どもの死亡原因では、不慮の事故によるものが、ほとんどの年齢層で第1位を占めています。とくに頭部外傷は生命の危険性が大きく、神経系の後遺症を残す可能性も高くなります。今月は子どもの事故の中でも危険性の高い頭部外傷について考えてみました。

 乳幼児はからだの大きさに比べて頭が大きく重心が高いので、不安定で転びやすいのが特徴です。また子どもは色々なものに興味を示してからだを乗り出して覗き込むために、頭から転落しやすいものです。さらに運動発達の未熟性や危険を回避する能力に乏しく、衝突も起こりやすいものです。

 したがって乳幼児には転落、転倒、墜落、衝突など頭部外傷の原因になる重大事故が発生する可能性が高いのです。

 頭部外傷を訴えて医療機関を受診する子どもの大部分は軽症者ですが、中には骨折や頭蓋内損傷などの重症者が含まれていることがあり注意が必要です。

 頭部外傷の後に意識障害やけいれん、まひなどの神経症状が認められる場合には、X線やCT検査ができる病院や、脳外科的な処置ができる病院に搬送して、症状の急変がないかどうかを厳重に経過観察する必要があります。

徳島新聞2009年10月14日掲載

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