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感染症の予防(3)


徳島県小児科医会 日浦恭一


 新型インフルエンザをはじめとする感染症には予防が大切です。麻疹や水痘のように空気感染する疾患は同じ部屋の中に居ただけでもうつることがありますから、その予防には厳重な隔離が必要となります。

 これに対して飛沫感染は病原菌を含む飛沫が比較的大きく、水分を含んで重く、比較的落下しやすいので長時間空気中に漂うことはありませんが、皮膚や衣服に付着した病原菌を含む飛沫が接触して伝染することがあります。したがって鼻水や痰を多く排出して、せきやくしゃみで周囲に飛沫をまき散らす場合には、飛沫感染の予防とともに接触感染にたいする予防処置も必要になります。

 飛沫感染を周囲にまき散らさないために提唱されたのが「せきエチケット」という考え方です。せきやくしゃみが出る時にはマスクやティッシュペーパーで口元をおさえるか、何もなければ袖口で口元を隠すようにして、分泌物の飛散を遮るようにします。

 飛沫を遮って、分泌物のついたマスクやティッシュなどはビニール袋や蓋付きバケツに捨て、他の人に接触しないように努めます。マスクに触れた手は流れる水で十分に洗って微生物が他に付着しないように注意します。

徳島新聞2009年9月23日掲載

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