徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

感染症の予防(2)


徳島県小児科医会 日浦恭一


 感染症の予防には病原菌やウィルスの感染経路による予防法を考える必要があります。一般に感染経路には空気感染、飛沫感染、接触感染の3つがあります。

 空気感染と飛沫感染の違いは病原菌を含む粒子の大きさの違いによります。その粒子は大きさによって飛沫と飛沫核に分けられます。飛沫は水分を多く含み、粒子径が大きく重いために遠くまで飛べないもので、これによる感染が飛沫感染です。人から人へ、せきやくしゃみでうつります。

 粒子径が小さく軽いものを飛沫核と呼びます。飛沫核は長時間、空気中に浮遊し、遠くまで飛びますから空気感染を起こします。
 
 空気感染する感染症には結核や麻疹、水痘などがあります。空気感染するものでも条件によっては飛沫感染や接触感染を起こすものがあります。SARSやインフルエンザ、ノロウィルスなどは空気感染も飛沫感染もする可能性があります。

 感染の予防には患者さんや保菌者の隔離が大切です。病原菌が感染力を有す期間は感染症の種類によって異なりますから、実際に患者さん隔離する期間はそれぞれの感染症によって異なり、十分な注意が必要です。

徳島新聞2009年9月16日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.