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 子どもの肥満が増えていることは明らかですが、肥満を示す指標が全国的に統一されているわけではありません。肥満の指標には体格指数(BMI=Body Mass Index)と肥満度を使用する方法があります。

 最近、成人ではBMIを使用することが一般的になっています。これは体重(kg)を身長(m)の二乗で割ったものです。成人では22を標準として25以上を肥満とします。

 小児でも昔から乳幼児の栄養状態の指標としてBMIと同じ計算式で算出したカウプ指数を使用してきました。しかし小児では成長とともに身長も体重も変化しますから、この値は年齢とともに標準値が変動します。年齢別の標準値を知らなければ肥満を判定する指標として用いることはできません。また年齢とともに変わるBMI値で肥満度の変化を評価することもできません。

 小児のBMI値は年齢別に大きく変動しますが、それは小児では基準になる身長が変化するからです。成長が止まって身長が一定になった後の成人ではBMIの増加を体重の増加、すなわち体脂肪の増加、肥満度としてとしてとらえることができるのです。

 小児のBMI値は出生直後から乳児期後半まで急速に増加して、その後減少して6歳前後でもっとも小さくなります。その後は成長にともなってゆっくり増加を続けます。身長増加が停止する時期にはBMIはほぼ一定の数値になります。

 学童や生徒の肥満を判定する方法としては標準体重と比較する方法が一般に使用されています。

 性別、年齢別の標準体重を実測体重と比較することから肥満度を求めるのです。肥満度は実測体重と標準体重の差を標準体重で割ったものを%で表したものです。肥満度が20%以上を軽度肥満とし、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満と判定します。標準体重を出すのに性別、年齢別の標準身長・標準体重表を利用するので少し煩雑ですが、肥満度を数字で表してあるので全年齢で比較しやすく、また経時的な変化を示すのにもわかりやすい方法です。

2006年12月19日掲載

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