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 発熱は子どもが救急外来を受診する原因疾患の第1位です。夜間の電話相談でも発熱に関する質問が多いものです。子どもが熱を出した場合、その発熱の原因疾患や治療法が明らかにされ、病気が治って解熱するまで両親は心配なものです。今月は子どもの発熱とその処置、解熱剤の役割などについて考えてみました。

 子どもの発熱原因の大部分はかぜなどの感染症によるものです。特に乳幼児は体力や抵抗力が弱いのでかぜにかかると簡単に熱が出ます。小児科診療を行っていて緊張するのは、発熱を訴えて受診する大勢の子どもの中に、かぜに隠れてごく少数の重篤な疾患が隠れているからです。多くのかぜによる発熱はそのまま経過を見ていても自然に治るものがほとんどです。ごく少数の重篤な疾患を見逃さないためには、どの時期に専門医を受診するかの判断がとても大切なことです。

 一般に子どもの体温は大人より高めです。乳幼児では新陳代謝が盛んであるために体温が高めになるのです。さらにからだが小さいために食事や運動、入浴、環境温度などの影響を受けて変動しやすいものです。

 また体温は生体リズムの影響を受けて日内変動を示します。夜明け前の体温が最も低く、夕方に最高になりますが、子どもではこの変動幅が大きく夕方の体温上昇を発熱と間違うこともあります。朝・夕の体温を測定してグラフにしてみると経過がよくわかります。

 また体温測定法や測定部位による差も無視できません。最近多く使用されている電子体温計は短時間で測定できて便利ですが、本来体温は水銀体温計で5分以上測定するのが最も正確であるとされます。電子体温計は予測値であって実際の体温とは0.2度くらいの誤差があるとされます。

 一般に体温計は脇にはさんで使用しますが、口の中や耳(鼓膜)、肛門(こうもん)内で測定すると少し高めに出ます。

 体温を比較するときには、測定法や測定部位を同じ条件にして比較することが大切です。

2006年2月14日掲載

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