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 インフルエンザの潜伏期間は1~3日と短く、一度流行り始めるとあっと言う間に周囲に広がります。インフルエンザは鼻水や痰に含まれるウイルスが、くしゃみや咳によって周囲に撒き散らされて、咽喉の粘膜から侵入することで伝染します。寒い時期に空気が乾燥するとウイルスが拡散しやすくなります。人の集まる所で激しい咳をする人が居ると、ウイルスはあっと言う間に蔓延することになります。従って学校や職場など人が集まる所で、インフルエンザが発生すると大流行となるわけです。

 インフルエンザはウイルスに感染して1~2日すると咽喉の痛み、鼻水、咳、頭痛、悪寒などと同時に39度以上の高熱で発病します。関節痛や筋肉痛が見られ、嘔吐や下痢などが見られることも珍しくありません。高熱は2~5日続きます。2~3日目に一度熱が下がり始めた後にもう一度熱が出て2峰性の発熱パターンを示すことがあり注意が必要です。インフルエンザに罹ると無気力になり熱が下がっても倦怠感が続き体力・気力が回復するのに1週間くらいかかることがあります。

 インフルエンザに対して最近、診断と治療について大きな進歩が見られました。対症療法しかなかった治療法に抗ウイルス薬が出現したことと、外来ですぐに結果の得られる検査キットの普及です。そのために二次的な細菌感染に使用していた抗生物質の使用を大幅に減らすことが出来ました。インフルエンザウイルスの検出キットの出現により、鼻汁や咽頭の粘膜から検体をとることで比較的短時間で結果が判明し、治療に反映しやすくなりました。使用可能な抗ウイルス薬についても、A型のみに有効な薬剤からA型にもB型にも有効な薬剤が出現して、昨年までの大人用の薬剤に加えて、今年は小児用の薬も保険適用されます。しかしいずれの薬も十分な効果を得るためには、発病後48時間以内に使用する必要があり、早期の診断確定が重要です。発病が疑われる場合には出来るだけ早く受診することが大切です。

2002年12月17日掲載

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