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県民の皆さまへ

【質問】排便が硬いとき出血がある
 
 2歳6カ月の娘のことで相談です。1歳3、4カ月ごろから、排便が硬いときに少量の出血がみられるようになりました。便秘もあり、綿棒にオイルを付けて刺激かん腸をしたことはありますが、出血してからはしていません。小児科で相談し、水分や食生活に気を付け、それでも出ないときは下剤を飲ませていますが、便が硬いと出血してしまいます。このまま様子をみていいか心配です。外科を受診した方が良いでしょうか。

古川病院小児科 中川礼子 先生
 
 【答え】たまった便塊の除去を
 
 硬い便が原因で肛門に傷(切れ痔(じ))ができ、排便時に痛みや出血を来しているようです。このような状況が続くと、痛みに対する恐怖から、便意があっても排便を我慢するようになります。2歳6カ月のお子さんであれば、自分で排便を抑制することは可能です。
 
 我慢すると腸管内の便の停滞時間が長くなり、その間に便の水分が腸管内に再吸収されてしまいます。そのため、さらに便が硬くなり、<1>恐怖心から息めない<2>便が腸管内に残って直腸を拡張し、感受性が鈍くなって便意を感じなくなる<3>さらに大量の便が長期間たまり、直腸の拡張が悪化する-と悪循環に陥り、慢性便秘となります。
 
 多くの場合、便の塊が腸の中にたくさんたまる便塞栓(そくせん)が存在します。まずは小児科で現在の便秘の状況を診断してもらいましょう。腹部の触診や肛門所見、直腸診を行い、場合によっては腹部のエックス線検査や超音波検査を行います。
 
 もし、肛門が閉鎖している病気の一つ「低位鎖肛(さこう)」や、腸管を動かす神経が欠損している「ヒルシュスプルング病」など、生まれつきの消化器疾患が疑われるようなら外科へ紹介となります。なお、鎖肛は肛門以外の皮膚の間を通じて便が出る場合があり、病気に気付かれていない場合もまれにあります。
 
 外科的疾患の可能性が低ければ、内科的治療を行います。便塞栓があるなら速やかに便塊を取り除きます。一般的にはかん腸や座薬、下剤を使います。重度の便秘なら1回で便塊を除去しきれないので、繰り返しかん腸することも珍しくありません。
 
 便塊を除去した後は、その状態を保つために「維持療法」を行います。維持療法は「苦痛を伴わない排便が週3回以上ある状態を長期的に続けること」を目標とします。
 
 まずは、食後にトイレに行く習慣を身に付けることが大事です。朝食後、ゆっくりと排便する時間をつくるため、夜更かしや朝寝坊を避けましょう。便意を感じたら我慢せず、トイレに行くようにします。
 
 無理なトイレトレーニングは、便秘の誘因となります。特に、失敗したときに激しく叱責(しっせき)すると、トイレに行くことや排便を拒否する原因にもなります。おまるや子ども用の補助便器を利用し、子どもがトイレしやすい空間づくりも大切です。
 
 食事療法では、食物繊維を多く含んだ食材がお勧めです。脱水がなければ水分摂取量を増やす必要はありませんが、よく汗をかくお子さんの場合は注意すべきでしょう。牛乳アレルギーが便秘に関与しているケースもあり、牛乳など乳製品を制限することもあります。
 
 薬物療法は少なくとも数カ月継続します。腸管からほとんど吸収されず、腸に水分を引き込んで便を軟らかくする作用がある浸透圧性下剤から始め、症状に応じて量を増減したり、他の下剤や漢方薬を併用したりすることもあります。
 
 以上のことを実践しても十分な効果が得られなければ、さらに詳しい検査が必要です。あらためて外科の受診が必要でしょう。

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