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【質問】 ピル使用、将来不妊の心配は

 30代前半の独身女性です。月経痛がひどく仕事に支障が出るので、数年前から低用量のピルを飲んで痛みを解消しています。将来、不妊に悩むことがないように子宮内膜症を予防する目的もあります。結婚後はすぐにでも子どもが欲しいので、服用をやめるつもりです。医師からは心配ないと言われていますが、子どもを授かりにくくなることはないでしょうか。また、副作用はないのでしょうか。



【答え】 月経痛 -服用やめれば影響なし-

ルナウイメンズクリニック 斎藤誠一郎(板野郡北島町中村)

 ご質問にお答えする前に、ピルについて簡単に説明いたします。ピルとは経口避妊薬のことで、1999年から日本でも発売されています。服用方法は簡単で、1日に1錠服用するだけです。正しく服用すれば避妊効果も非常に高いです。

 ピルには、エストロゲンとプロゲストーゲンというホルモンが含まれています。これらは、女性の体内で作られているホルモンに類似しています。これによって排卵を抑制したり、子宮内に精子を入り込めなくしたり(子宮頸管粘液減少作用)、子宮内膜に受精卵がくっつくこと(着床)を抑制します。

 ピルには避妊効果以外にも、女性にとって好影響を及ぼすことが知られており、これを副効用といいます。ピルは避妊薬であるため健康保険が使えません。しかし最近では、月経困難症に対して保険適応のあるピルが発売されています。

 ピルの副効用として月経困難症をはじめ、過多月経、子宮内膜症、貧血、良性乳房疾患、子宮外妊娠、機能性卵巣のう腫、子宮体がん、卵巣がん、大腸がんなどの病気にかかりにくくなったり、症状が軽くなったりすることがあります。

 ご質問の方も、子宮内膜症による月経痛(月経困難症)を軽くするために服用されていると思われます。子宮内膜症とは、子宮の内面にある子宮内膜が卵巣や腹膜に存在する病気で、月経痛や不妊症を引き起こします。鎮痛剤が効かないほどの強い月経痛にはピルを使用します。月経量が減り、月経痛が軽くなります。

 ピルの作用は一時的です。長期間服用しても、服用をやめれば30日後に約50%の方に、3カ月後までに99.4%の方に月経が回復します。以前と比べて妊娠しにくくなることはありませんので、ご安心ください。

 ただし、ピルを服用中にクラミジアなどの性感染症にかかると、妊娠しにくくなることがあります。ピルは性感染症を予防することはできませんので、心配があれば予防のためにコンドームの使用や、クラミジアや淋菌(りんきん)などの代表的な性感染症検査を定期的に行うことをお勧めします。

 最後に、ピルには副作用も存在します。悪心、嘔吐(おうと)、頭痛、不正出血などです。また確率は非常に低いですが、静脈血栓症(静脈に血の塊が詰まること)など重症な副作用が出ることもあります。

 初めて服用する前には、副作用が出やすいタイプでないか確認するために、問診や体重・血圧測定が必要です。場合によっては血液検査や子宮頸がん検診、性感染症検査、乳房検査などを行うことがあります。それらの結果によっては投与できないことや、慎重に投与すべき場合があります。医師はそれらを見極めてから処方を開始しています。

徳島新聞2012年7月8日号より転載

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