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【質問】 不妊症

 30代の女性です。結婚5年目になりますが妊娠しません。昨年から病院に通って検査をしていますが、私にも夫にも異常は見られません。不妊症ではないかと思うのですが、どのような病気でしょうか。子どもは諦めなければいけないのでしょうか。最新の治療方法があれば教えてください。



【回答】 不妊症 -原因不明でも治療法ある-

中山産婦人科 院長 中山孝善(板野郡藍住町東中富)

 生殖可能な年齢にある男女が正常な性生活を営んでいるものの、2年以上経過しても妊娠しない場合に、不妊症と定義されています。

 実際には6カ月以内に50%、1年以内に80%、2年以内に90%のご夫婦が妊娠に至るとされています。日本では残りの10%、約140万組が不妊カップルと言われています。ご質問によると、結婚されてもう5年になられていますので、まぎれもなく不妊症ということになります。

 ところで、1年前より不妊検査を受けられ、異常が見られないとのことですが、その解釈の上で注意しなければならない点が大きく二つ挙げられます。

 一つは、異常がないというのは「その施設でできうる検査では異常がない」という意味のことが多々あります。検査を受けられた施設が、どこまで不妊検査が可能かという情報が患者に分かればよいのですが、困難なことが多いのが問題点です。

 検査や治療の高度化、専門化が進んでいます。同じ産婦人科といっても、不妊治療に力を入れている施設がある一方で、妊娠管理や分娩(ぶんべん)などの周産期医療や、腫瘍などの診断治療を専門とする施設もあります。検査を受けられた施設で、できない不妊検査や治療法は何かを尋ねる勇気も必要です。

 もう一つは、あらゆる不妊検査が可能な施設でも、原因が分かるのは不妊症のうちの3分の2です。残りの3分の1は検査をしても「異常がない」と言われます。しかし本当は「異常が分からない」のです。検査で異常がないと言われたので不妊症ではないと勘違いをされ、そのまま年月が過ぎてしまっているご夫婦に時々出会うので残念です。

 不妊原因が不明の方に治療法がないというわけではありません。一般的には、排卵誘発剤の投与や配偶者間人工授精(AIH)を行うことで妊娠率を高めることができます。それでも妊娠に至らないときには、最終的には、体外受精や顕微授精などによる高度生殖補助医療が行われます。

 高度生殖補助医療の発展は目覚ましく、日本産婦人科学会の報告によると、2009年の日本での体外受精や顕微授精による出生児数は2万6680人です。その年の日本での出生数は約107万人ですので、出生児の2・5%、すなわち40人に1人が高度生殖補助医療による不妊治療で生まれたことになります。

 このように、高度生殖補助医療は多くの不妊患者に福音をもたらせていますが、どうしても越えられない壁もあります。女性の加齢とともに妊娠率が低下し、流産率も高くなることです。

 生殖という点だけを考えれば、35歳までに子どもを産み終えるのが理想的と言われていますが、晩婚化が進み、そうはいかないのが現状です。ご質問者は30代ということですので、できるだけ早く積極的に治療を進められることをお勧めいたします。

 体外受精・顕微授精による治療は、今のところ保険診療ができませんが、所得制限があるものの初年度は15万円まで3回、2年目以降は年間2回までの助成金が県から給付されます。また、阿南市や三好市、東みよし町、神山町、北島町などでは、自治体が独自に助成金を上積みしてくださっています。詳しくは所管保健所や役場にお尋ねください。

徳島新聞2011年9月25日号より転載

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