徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】水疱でき、手足がかゆい

 60代の男性です。手のひらと足の土踏まずに水虫のような水疱(すいほう)ができ、皮がむけた後にかゆくなります。皮膚科で受診した結果、「菌はない」とのことでした。処方された塗り薬を使っていますが3年たっても完治しません。皮膚はかゆみのある箇所だけが硬くなります。すぐには治らないので「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」ではないかと思います。治療方法を教えてください。

 阿南共栄病院 赤澤啓人皮膚科部長

【答え】平均3~7年で治癒も

 手のひらや足の裏に水疱ができ、かゆいという症状からは白癬(はくせん)(水虫)、異汗性湿疹、掌蹠膿疱症などが考えられます。皮膚科で「菌はない」と言われたとのことなので、真菌(カビ)の感染症である白癬ではないようです。異汗性湿疹は多汗症の人に生じやすく、多くは夏に小さな水疱が指の辺縁に出て強いかゆみを伴います。

 掌蹠膿疱症はその名の通り手のひら(掌)や足の裏(蹠)に、膿(うみ)が点状に皮膚に溜(た)まる膿疱ができる病気です。膿疱や水疱ができ、これに炎症が加わると赤みを生じたり、膿疱や水疱が破けたところや炎症が続いたところでは、ガサガサした皮が付着したりします。

 ご質問の症状はこれに当てはまると考えます。掌蹠膿疱症では、これらの症状が慢性的に出たり引っ込んだりを繰り返します。かゆみは、あることも、ないこともあります。膿疱は細菌性ではないので、人に感染することはありません。

 また、皮膚以外の症状として骨・関節症が約10%の患者において合併します。中でも、前胸部の痛みや腫れが生じる胸肋鎖骨間骨化症(きょうろくさこつかんこっかしょう)が最も多く、骨・関節症状でまず整形外科を受診し、手足の皮疹(ひしん)につき皮膚科に紹介されることもあります。

 掌蹠膿疱症の原因としては、慢性の扁桃炎(へんとうえん)や虫歯・歯槽膿漏(しそうのうろう)などの病巣感染、歯科金属アレルギーなどが関与するとされています。しかし、積極的に検査をしても原因が特定できるのは半数以下で、半数以上は原因不明です。

 原因がはっきりすれば、耳鼻科や歯科の治療が奏功する場合もあるのですが、そうでない場合は症状に応じた治療(対症療法)で経過をみることになります。また、掌蹠膿疱症の多くの患者は喫煙者であることが知られています。禁煙が症状を改善するというデータはないのですが、喫煙は症状悪化に関与するとされています。症状悪化を防ぐためにも喫煙者には禁煙をお勧めします。

 対症療法には内服療法、外用療法、紫外線療法があります。

 内服療法は抗アレルギー剤、エトレチナート(ビタミンA誘導体)、ビオチン(ビタミンH)など。外用療法は副腎皮質ホルモン(ステロイド)軟膏(なんこう)、ビタミンD3軟膏、保湿剤などを使います。紫外線療法は専用の機器で決まった波長の中波長紫外線「NB(ナローバンド)-UVB」を病変部に照射します。

 しかし、どの治療法も特効薬というわけにはいかないのが実情です。私たち皮膚科医は、患者さんの症状や治療効果などを考慮し、これらの治療法を組み合わせて選択します。

 掌蹠膿疱症は治療しながらでも慢性的に出没を繰り返すやっかいな病気ですが、決して治らない病気ではありません。平均すると3年から7年で治癒するともいわれています。主治医の皮膚科医とコミュニケーションを取りながら、焦らず諦めず治療を続けてください。

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.