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県民の皆さまへ

 前回は初めての発熱の原因には突発性発疹症(突発疹)が多いということについてお話しました。しかし初めての発熱の原因がすべて突発疹とは限りません。つまり、子どもが初めて熱を出す月齢によって考えられる病気が随分変わってくるからです。例えば、生後1ヵ月や2ヵ月の乳児が発熱した時には突発疹を考えることはありません。生まれたすぐの新生児には母親由来の免疫があると考えがちですが、完全な免疫が確立されているわけではありません。新生児期の感染症があまり熱を出さずに重症になることも知られています。生後3ヵ月未満のような早い時期に乳児の発熱を見ることは珍しいことですが、中には肺炎や髄膜炎など重症の細菌感染症が隠れていることがあります。ですから乳児期早期に発熱を見たときにはなるべく早い時期に病院で受診する必要があります。

 生後5~6ヵ月を過ぎると母親由来の免疫は減少してきますが、自分自身で抵抗力を獲得することが出来るようになります。外から侵入したウイルスや細菌に対して発熱という形で反応するようになります。この時の発熱は抵抗力を獲得する第一歩であり、ウイルスなどの異物を排除するのに役に立ちます。従って全身状態が良ければ、この熱はすぐに下げないほうが早く治ると考えられます。

 発熱の原因診断に役に立つのは、熱以外にどんな症状があるかということです。咳や鼻汁、下痢や嘔吐、けいれんなどの症状の有無に注意しましょう。また熱の高さやその出方も大切です。41度を越えるような高熱が持続する時には注意が必要です。また食欲の有無、機嫌や睡眠の良し悪しは全身状態を判断するのに役立ちます。

 発熱した場合の処置としては、十分な水分の補給と安静、保温に気をつけます。子どもを疲れさせるような外出や入浴は止めて様子を見るようにしましょう。

2002年4月16日掲載

 子どもが急病で病院を受診する原因の第1位は発熱であると言われます。子どもが発熱すると両親は随分と心配されますが、これが初めての発熱でさらに高熱であると心配はなお一層のことと思われます。普通、生後半年くらいは風邪をひかないと言われていますが、これは母親からもらった免疫の持続期間と関係があります。生後半年くらいで母親由来の免疫グロブリンに含まれる抗体が低下してくると抵抗力も低下し、この時期に殺菌やウイルスに出会うと、風邪などの病気を発症することになります。しかしほとんど家の中に居る乳児がウイルスや細菌に出会う機会はそれほど多いものではありません。従って初めての発熱の原因となるのは、普通の風邪などのウイルスによるものより、突発性発疹症であることが多いのです。

 突発性発疹症とはヘルペスウイルス6型が原因とされる熱性・発疹性疾患のことです。多くの乳児がこの病気にかかりますが他の感染症のような季節による流行はありません。1歳くらいまでにかかる場合がほとんどですが、明らかな症状を示さない人や2回かかる人もいます。2回目はヘルペス7型が原因とされます。

 生後6ヵ月頃の乳児が急に39℃くらいの熱を出し、熱以外の症状がほとんどなく、熱の高さに比べて全身状態が良い場合にはまず突発性発疹症が疑われます。熱があるのに機嫌も良く哺乳力なども保たれていますが、少し下痢が見られることもあります。咽喉の奥に極めて小さな発疹が出現して診断の助けになることもあります。熱は3日間持続しますが、3日過ぎには自然に下り、その後腹部や背部に淡い発疹が出てきます。この発疹も3日くらいで自然に消失します。突発性発疹症は終わってみればすべてが簡単に経過するように思われますが、初めて熱が出て持続する間の不安は大変なものです。熱が下がって発疹が出て診断が確定してはじめてほっとするようです。

2002年4月9日掲載

 子どもがベッドから落ちたとか階段から落ちたとかの転落事故は思いの他多いものです。落ちて頭を打ったのですが、大丈夫でしょうかという問い合わせが随分あります。

 事故の中で多い転落事故についてお話ししたいと思います。子どもが寝返りをするようになると、ベッドの端に寝かせておいた子どもが寝返りをうった途端にベッドから落ちてしまうことがあります。少し大きくなって、自分で立ち上がって伝い歩きを始め、2階の階段の上から下まで落ちたり、ベッドの柵を乗り越えて頭から落ちることがあります。椅子に座らせておいても自分で身を乗り出して倒れることがあります。子どもは大人に比べて頭の比率が大きいのでバランスを崩しやすいのが特徴です。また、何にでも興味を示して頭から乗り出して見ようとするために、頭から落ちるような事故を起こします。頭は非常に大事なところですから、頭を打つことで大変な結果を招くこともあるわけです。

 頭を打った場合に最も大切なのは直後に意識があるかどうかということです。頭から落ちた場合でも、転倒や衝突の場合でも同じです。意識がなくなった場合には、頭蓋内に出血などの重篤な異常が発生した可能性を考えて検査をし、経過を観察していかなければなりません。意識はあってもひどく高いところから落ちて強い衝撃を受けている場合には、時間が経ってから症状が出てくることもあります。直後には意識があったのに、しばらくして徐々に意識がなくなっていく場合にも注意が必要です。その他大切なことは、神経の症状が見られるかどうかと言うことです。手足の動かし方がおかしい時や目つきがおかしい時には要注意です。またけいれんが見られる時や嘔吐がある時にも同じです。また意識はあるがなんとなく変だとか、ひどく不機嫌な時、放っておくとすぐ寝てしまう時などにも気をつけねばなりません。以上の様な症状が見られた時にはレントゲンやCT検査のできる病院に受診しましょう。

 いずれにしても転落や衝突に伴う頭部の打撲はあってはならないことだと思います。伝い歩きをを始めたり寝返りを始める時期には危険のないように注意したいものです。

2002年3月26日掲載

●誤飲事故

 前回はタバコの誤飲事故についてお話ししましたが、今週は誤飲事故についてもう少しお話ししたいと思います。誤飲事故の原因の第1位はタバコですが、次いで多いのは医薬品です。身の回りにあるものは何でも口に入れてみるのが子どもの特徴です。タバコ、医薬品の他に玩具、化粧品、金属やプラスチック製品、電池、洗剤や洗浄剤、殺虫剤、硬貨、乾燥剤などが多いと言われます。つまり口に入るものならなんでも飲み込む可能性があるのです。保存してある薬品の中には何時のものか、どんな作用のものか、どのくらい残っていたのかが分からない場合があります。とくに大人用の医薬品には様々な作用の薬剤があり、子どもにとってきわめて危険性の高いものも含まれます。保存のためにお菓子の缶に入れるということがよくありますが子どもは特にきれいな色がついているものにはとても興味を示すのです。親の留守に高血圧の薬を3人の兄弟が分け合って飲んだ事故に出遭ったことがあります。辛い胃洗浄と輸液で事なきを得ましたが、ひとつ間違うと大変なことになるところでした。

 タバコや医薬品は大量に取ると中毒症状を起こしますが、洗浄剤や漂白剤など強酸または強アルカリのものを飲み込むと咽喉や食道の粘膜にやけどを起こし、穿孔・狭窄を起こす危険性が高いので、絶対に吐かさずに病院受診する必要があります。また灯油やベンジンなどの石油製品も吐かすと、気管に入りやすく化学性肺炎を起こす危険性が高いので、吐かしてはいけません。

 固形物を飲み込んだ場合には、咽喉の奥にひっかかって窒息することがあります。咽喉を通って胃の中に入ったものはほとんどが排便とともに排泄されます。ただし、硬貨やボタン型乾電池が消化管の粘膜にくっついて長時間、同じ場所に留まると電気が通じることで、消化管の粘膜を穿孔する危険性があります。レントゲンで移動していることを確認しながら、排出するまで経過観察しなくてはなりません。子どもは直径3センチメートル位のものでも飲み込むことがあると言われています。台所やお母さんの化粧台、ベランダなどに危険なものがいっぱいあります。一度、危険物が出し放しなっていないか点検してみて下さい。

2002年3月19日掲載

 子どもは大人が夢にも思わないようなことをして、大きな事故を引き起こすことがあります。場合によると生命に関わるような重大な結果になることさえあります。小児の死亡原因の中でほとんどの年齢層で、その第1位は不慮の事故とされています。死亡事故の中で多いのは交通事故ですが、次いで水の事故、窒息、転落などと続きます。死亡までに至らなくても、誰でも一度や二度はヒヤリとしたことはあると思います。今回は日常生活の中で常に危険と隣り合わせである小児の事故について考えてみました。

●タバコ誤飲事故

 小児の誤飲事故の原因で最も多いものはタバコです。大人が何気なく置いたタバコを知らない間に乳児が口に入れることは珍しくありません。タバコの誤飲は、何でも手にした物を口に持っていく乳児の特徴と、大人の何気ない不注意が招く事故と言えましょう。まさかこんな物を口に入れることはないだろうとか、高い所なら手が届かないだろうという油断が事故を招くのです。
 タバコを食べた時の害は主としてニコチン中毒によるものです。症状は嘔吐、顔色が蒼白になる、よだれや冷や汗が多く出る、元気がなくなるなどで、30分から数時間で出てきます。タバコの葉や吸殻をたくさん食べた時より水に溶けたニコチンを飲んだ時のほうが症状は早く出ます。ジュースの空き缶などに水を入れて灰皿代わりにしている場合、子どもがジュースと間違えてこれを一気に飲むと大量のニコチンを摂取することになり、吸収も早く危険性が大きくなります。大人でその致死量はタバコ2本分と言われています。乾いた状態のタバコを少ししか食べていない場合には家で様子を見てもいいのですが、タバコをたくさん食べた時や水に溶けたタバコを飲んだ時などには病院を受診します。この時、乾いたタバコの場合には、水など飲まさぬようにして病院に行きますが、水に溶けたタバコを飲んだ時には水や牛乳を飲ませて吐かせてから病院に連れて行きましょう。

2002年3月12日掲載

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